研究概要 |
一つのフォトダイオードで,特別なフィルタなどを用いずに入ってくる光の波長分布が分かる画期的なフォトダイオード構造の提案と実験的な実証を行い,アレイ化を試みることを研究の目的とし,さらに,そのフォトダイオードを用いて,我々がこれまで実績があるマイクロ流路デバイスと組み合わせて,スマートバイオチップに応用することを目指した.昨年度までにフィルタレス蛍光センサの基本原理を確認することができた.シミュレーションによりその基本性能を確かめた後,実際にフィトダイオードの製作を行い,励起光と蛍光に見立てた2種類の波長の光を同時に照射して100対1の比率で弁別できることに成功した.本年度は現在広く用いられているSyber Green蛍光色素を用いたDNAのハイブリダゼーションの検出実験を行った.ハイブリダイゼーションの実験は22baseのDNAを実際に使用した.Syber Green蛍光色素を用いハイブリダイゼーションを行ったサンプルとハイブリダイゼーションを行わない場合の両者を準備して,450nmの励起光をLEDで照射を行ったところ,フィルタなど用いずにSyber Green蛍光の変化の測定に成功した.さらにフィルタレス蛍光センサのアレイ化を行い,4×4アレイの製作を行った.アレイを作製するにあたり,CMOSイメージセンサ技術を導入することにより,逐次読み出しが可能となった.また,Y字流路とこのフィルタレストドダイオードを一体化させて蛍光の測定にも成功した.
|