研究課題/領域番号 |
16656192
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 京都大学 (2005) 東北大学 (2004) |
研究代表者 |
松原 英一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (90173864)
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研究分担者 |
林 好一 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20283632)
西野 吉則 独立行政法人 理化学研究所, 播磨研究所, 研究員 (40392063)
竹中 久貴 NTT-AT, 開発&分析センター, 主幹担当部長
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | X線全反射現象 / 導波路 / X線集光素子 / 多層膜 / X線顕微鏡 / コヒーレント散乱 / ペンタセン |
研究概要 |
X線導波路の特徴は、10〜100nmのサイズの干渉性の高いX線を発生することのできる微小X線源や、モノクロメーターのような分光器としての機能を有することである。ここではSi基板上に100nmのPMMAコア層をスピンコーティング法によって、さらにその上にスパッタ法によってSiクラッドを製膜した多層膜をX線導波路とした。計算機シミュレーションでは、効率よくX線を伝搬することのできるX線導波路の構造はエネルギーによって異なることを示しており、そのため、クラッド層の厚みは、0〜20nmの範囲において2nmステップで段階的に変化させた。本実験では、X線管球から放射される特性X線を分光させる目的でSi/PMMA/Siに対し白色X線を入射させ、X線導波路現象の観測を行った。WLβ線を最も効率よく伝搬させるためのクラッド層の厚みは、シミュレーションによって10nmと算出されたため、その試料に対して入射角度を調整し、伝搬X線を観測した。伝搬X線の出射角度依存性を詳細に調べた結果。TE0、1、2、3モードの導波路現象が生じていることが確認された。出射角度0°付近で観測されるTEOモードのエネルギーは9.75keVであり、WLβ線と一致し強度が増強されていることが判明した。MoKα線に対しても同様に分光が行えることも示された。 また、ペンタセン薄膜においても同様にX線導波路現象を観測した。伝搬X線のエネルギーから導き出される膜の構造(膜厚50m、密度1.35g/cm^3)は他の評価法のものと良い一致を示した。AFMでの形態観測によると、膜厚に対して非常に大きな凹凸が表面に存在していたが、本結果より、滑らかな界面を持つ薄膜だけでなく、粗い界面を持つ薄膜に対してもX線導波路現象が生じることが示された。
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