研究課題/領域番号 |
16656212
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
貝沼 亮介 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20202004)
|
研究分担者 |
石田 清仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20151368)
大沼 郁雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20250714)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 強磁性 / 形状記憶合金 / マルテンサイト / Co-X合金 / キュリー温度 / 高温形状記憶 / マルテンサイト変態 / 強磁性合金 / 積層欠陥 / 相安定性 |
研究概要 |
申請者は最近、1000℃以上の高いキュリー温度を有し400℃程度にfcc/hcp変態を持つCo系合金に着目し、そのマルテンサイト変態挙動を調査したところ、簡易的な曲げ試験で2%の表面歪に対し、約80%の形状回復が得られることを見出した、この合金のキュリー温度は約800℃、マルテンサイト逆変態温度は約200℃であり、形状回復もこの逆変態に起因して高温で生じていることを確認した。そこで、本研究ではCo-Alを始めとしたCo-X(X : Ni, Fe, Ga, Si, Ge)系におけるfcc/hcpマルテンサイト変態について、合金元素や熱処理の効果を詳細に研究し、新規高温形状記憶合金としての可能性を明確にする。平成17年度に得られた結果は以下の通り。 1.優れた形状記憶効果を示したCo-Al合金について、形状記憶特性や磁気特性に及ぼす時効熱処理の影響を調査した。その結果、800℃における時効処理により優れた形状記憶特性が得られた。 2.優れた形状記憶特性が得られた時効材の電子顕微鏡組織観察を行い、マルテンサイト組織と時効組織との関係を調査した。その結果、800℃における時効処理によりマトリックス以外に規則B2相が析出している事が判明した。優れた形状記憶特性が得られた理由は、析出物による強化が一因と考えられる。 3.Co-Al合金はマルテンサイト変態温度が200℃程度と低い。従って、より高い変態温度が期待できるCo-Si合金を調査した。その結果、変態温度は600℃以上に出来るものの、形状記憶特性は40%程度とCo-Al系に比しても十分なものとはならないことが判明した。 4.上記Co系形状記憶効果の発現機構については、その挙動が複雑なために明確にする事はできなかった。しかし、Fe-Mn-Si系とは異なり、良好な形状記憶特性を得る条件として変形加工前にマルテンサイト相が既に存在している事が重要である事が判明した。
|