研究概要 |
ノズルジェット型キャビテーション装置を用いて、粗粉の超微粒子化を行なった。減額措置によって改良型装置の開発は困難であったので、マルチオリフィスおよびマイクロオリフィスを試作し現行機に組み込んで実験を行なった。孔径は20,50,60,80,100ミクロン、孔数は1個,4個,7個であり、多結晶ダイヤモンドをレーザー加工して作製した。これによって次世代機の開発における有意な知見を得ることを目指した。試料については、光量子ドット開発の緊急性から、銅フタロシアニン色素に集中した。 最大の微粒子化効果は何れの条件においても噴出圧が1000kg/cm^2の場合に得られ、オリフィス噴出部の無反応領域とキャビティ密度は微粒子化能力に影響はなく、第三の条件であるキャビティの消滅位置、実際には試料室長さが支配因子であることが判った。また、ナノ微粒子化にともなって粒子の分散のために界面活性剤が必須であること指摘された。現在値は、ナフタレンスルフォン酸ホルマリンナトリウム縮合体の界面活性剤を使用した場合に、数ミクロンの銅フタロシアニン原料粉を、2〜3秒の処理で平均粒子径32ナノメートル(原料粉サイズの1/100以下)に微粒子化することに至っている。しかし、界面活性剤自体も有意な大きさをもっていると考えられ、微粒子自体のサイズの計測とその液相混合状態での使用においては、最適な界面活性剤の探索が微粒子化と同程度に必要であると思われた。
|