研究課題
萌芽研究
Czochralski炉内の融液対流の制御を最終目的として、外管壁加熱、内管壁冷却された環状プール内の薄い液体層中に生じる表面張力対流の3次元振動流の発生条件および発生後の温度・流れの変動パターンに及ぼす、回転の影響について検討を行った。まず、スーパーコンピュータを利用して、出来る限り細かいメッシュを用いた数値解析を実行し、厚さ1mmのシリコンオイル液層内の流れと温度場の時空間変動を検討した。その結果、外管壁温度と内管壁温度の温度差(ΔT)がある臨界値を越えると、環状液層内の流れは軸対称定常流から、細かいスポーク状のパターンが、周方向に伝播するHydrothermal Waveが発生することを確認した。このスポークパターンの波数や臨界温度差は、強い液深依存性を示すことを明らかにした。この環状液層を、中心軸の周囲にゆっくりと回転すると、Hydrothermal waveの発生条件は回転数依存性を示すことを明らかにした。また、スポークパターンの挙動も変化することを確認した。しかし、当初予測していた、回転付与によってHydrothermal Waveの発生を強く抑制することは困難であることが判明した。様々なチェックを行った結果、予測に用いたシミュレーションに使用したメッシュが粗かったために、波数の大きなスポークが計算出来なかったためであることが判明した。このため現在、極めて細かいメッシュを用いた計算を実行した。現在線形安定解析との比較検討も行った。これまでの計算結果をまとめて、2005年7月に西安で開催される国際会議において発表する予定である。
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5th International Symposium on Multiphase Flow, Heat Mass Transfer and Energy Conversion (2005 July 3-6, Xi'an, China) (印刷中)
International J.Thermal Scienes 43
ページ: 587-593