研究概要 |
豊かで,快適で,便利で,安全で,活力のある社会の持続的発展に力強く対応し,社会情勢の変化に柔軟に順応できる技術開発の仕組みの構築が望まれている.特に,循環型社会形成を目標として,中・長期的視点のもと,既存の環境保全,自然との共生および新たな環境創造の各種技術が21世紀の研究のキーワードでもある.このような社会的要請のもと,建設分野においては,建設リサイクルの推進が緊急課題であり,(1)老朽構造物の解体施工技術,(2)建設廃棄物の再資源化技術に対する取り組みが精力的に行われている.しかし,解体・再資源化・再構築にも配慮した新設構造物の設計法にまで言及してはおらず,本研究では,持続可能な上記架設〜解体〜再構築の設計サイクルのあり方について検討することを目的としている. 形状記憶合金の機械的性質を調査し,加熱・冷却サイクルで,形態の記憶精度を中心に,ボルト,リベットなどの接合要素として適用性について調査した.特に,静的強度などの弾性物性の品質保証および熱入力サイクルによる強度変化などについて実績調査を行った.ここでは,高分子形状記憶材料およびそれを用いた計算機組立ての実績について参照した.また,閉断面部材に対しては,燃料パイプの接合法として多用されている形状記憶合金の円筒によるかしめ接合の構造継手への適用可能性についても検討した.特に,かしめ接合の構造性能を2重管・膨張モルタル充填鋼管接合部と対比して検証を行った.最後に,鋼床版構造を例に,部品化による構造物の架設〜解体〜再構築のサイクルについて調査した.
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