研究課題/領域番号 |
16657012
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理・分子
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
山田 恭司 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (70200714)
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研究分担者 |
若杉 達也 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (10212317)
唐原 一郎 富山大学, 理工学研究部(理学), 助教授 (60283058)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 寄生根 / 寄生植物 / 細胞間連絡 / 細胞壁修飾酵素 / ネナシカズラ / プラスモデスマータ / 原形質連絡 / 吸収糸 / 細胞間連結 |
研究概要 |
ネナシカズラ寄生根の吸収糸細胞が宿主の維管束細胞との間に形成する細胞間連絡について、その分化機構を解明するために、本年度は以下の研究を行った。 1)寄生根の侵入後から細胞間連絡の形成に至る過程において細胞壁代謝酵素遺伝子の発現パターンを解析した。まず、細胞壁代謝酵素であるペクチン合成酵素に着目して、4種の酵素(GAUT,GATL,QUA1,GUT1)のcDNAをネナシカズラから単離し、解析した。次に、それらの遺伝子が寄生根形成過程で示す発現レベルを調べたところ、4種の遺伝子のうち、GAUT,QUA1およびGUT1の3種については、いずれも寄生過程での発現レベルの変動が検出されなかったが、GATL遺伝子は、寄生の進行にともない、わずかながら発現上昇が見い出された。このことは、寄生過程で起きる細胞壁代謝の変化に対するペクチン合成酵素の関与の可能性を示唆している 2)寄生根細胞が宿主細胞に接着し細胞間連絡を形成する過程で働く候補遺伝子をネナシカズラから単離し、寄生根形成過程における発現挙動を調べた。ネナシカズラ自身に寄生させた場合(寄生根は侵入するが、細胞間連絡が形成されない)とエンドウに寄生させた場合(寄生根の侵入後、細胞間連絡が形成される)での発現に違いが認められる遺伝子群をPCRサブトラクション法によってクローン化し、それらの塩基配列を決定した。その結果、種々の転写因子や酵素などのcDNAが得られた。これらの遺伝子発現様式をRT-PCRで解析し、ネナシカズラ自身に寄生させた場合とエンドウに寄生させた場合での発現レベルの違いが確認できるかを検討した。その結果、エンドウへの寄生で細胞間連絡ができる場合に、発現増加を示すものが2種、逆に発現低下を示すものが3種、同定できた。これらの遺伝子は、細胞間連絡の形成への関与の可能性が示されたものの、それぞれがどのように関与しているかは、今後解明すべき課題である。
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