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新規SINE配列,Auファミリーを利用した植物系統分類の試み

研究課題

研究課題/領域番号 16657027
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 生物多様性・分類
研究機関京都大学

研究代表者

河原 太八  京都大学, 農学研究科, 助教授 (20115827)

研究分担者 安井 康夫  京都大学, 農学研究科, 助手 (70293917)
研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード植物系統分類学 / SINE配列 / Auファミリー / Asimina triloba / 単子葉植物 / 真正双子葉植物 / マメ科 / レトロエレメント / 植物系統分類 / Mabnoliid complex / 真性双子葉植物
研究概要

昨年に引き続き,Auの植物界における分布について詳しく調査し,以下のような結果を得た。シダ・裸子植物(8科8種)には,見いだせない。古草本類・"Magnoliid complex"(4科5種)ではAsimina triloba(ポーポー)に存在する。単子葉類(5科13種,うちイネ科8種)では5種に存在し,真正双子葉類(7科11種)では4種に存在する。この結果から,Au SINEは様々な植物に存在し,現在知られている中で植物界に最も広く分布するSINEであることが確認された。またA.trilobaで見つかったので,単子葉類と真性双子葉類の分岐以前に成立し,垂直に伝達され,イネなどのゲノムから失われた一方で,コムギなどの一部の種で増殖したと考えられた。
またマメ科のMedicago truncatula(タルウマゴヤシ),Lotus japonicus(ミヤコグサ),Glycine max(ダイズ)の3種で,ダイズのSINE配列が他の二つの種の配列と異なっていたので,それぞれの種に含まれるSINEファミリーを対象に数多くの配列を読み,系統樹を作成した。その結果,MedicagoとLotusの配列は相同性が高いが,Glycineの配列はこれらとの相同性が低いことがわかった。これはダイズの配列の一部に欠失があるためで,ダイズのAu SINEはすべて欠失をもち,逆にMedicagoとLotusには欠失タイプは存在しなかった。このことはマメ科の分化の途中で,ダイズに至る系列で欠失が生じたことを示し,SINE配列がマメ科の系統解析に非常に有効であることが確認できた。
次にSINE配列が遺伝子に及ぼす影響を知るため,Arabidopsis thaliana(シロイヌナズナ)で解析を行った。シロイヌナズナにはAuは存在しないが,4種のATSINEが存在する。結果は,A.thalianaのゲノム中でSINE配列とオーバーラップのある遺伝子が48個見つかり,そのうち11遺伝子でタンパクをコードする配列にSINE配列が含まれていた。これらの遺伝子ではSINEの挿入によって,遺伝子の構造が変化したといえる。またSINEとオーバーラップのある遺伝子は,その発現量が低いものが多く,SINEの挿入は遺伝子にとって有害なことが多いと考えられた。
以上のような結果から,Auファミリーは植物の系統分類に有効に利用できるものと結論した。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A SINE family widely distributed in the plant kingdom and its evolutionary history2006

    • 著者名/発表者名
      Jeffrey A.Fawcett, Taihachi Kawahara, Hitoshi Watanabe, Yasuo Yasui
    • 雑誌名

      Plant Molecular Biology(受領) (印刷中)

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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