研究課題/領域番号 |
16657044
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
阪口 雅郎 兵庫県立大学, 大学院生命理学研究科, 教授 (30205736)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 生体膜 / オルガネラ / シグナル配列 / トポロジー / 膜蛋白質 / 生合成 |
研究概要 |
真核細胞の小胞体では、さまざまな蛋白質が膜を透過し、膜蛋白質が膜に組み込まれている。このダイナミックなプロセスにはトランスロコンと呼ばれるポリペプチド鎖膜透過チャネルが関わっている。トランスロコンはきわめて多種類の蛋白質ポリペプチド鎖を容易に膜透過させるという驚異的な作用をもつ。本研究は小胞体トランスロコンにおけるポリペプチド鎖の移動透過過程を一分子レベルで観察し、透過の経時変化、移動速度、移動頻度、方向性などを測定可能とすることを目指した。高純度で高い蛋白質膜透過活性を有する小胞体膜標品の取得、ウサギ網状赤血球溶血液を用いた高効率タンパク質合成系の大量調整を行った。さらに、われわれの発見した1型シグナルアンカー配列のアミノ末端側にジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)ドメインを融合した場合、高効率で膜透過できること、この透過が特異リガンドであるメトトレキセートを添加することによって完全に抑制されること、このリガンドを除去することによって高効率で膜透過を再開できること、この過程には熱ショック関連蛋白質や燐酸高エネルギー化合物は不要なことを明らかにした。さらに、より制御しやすいポリペプチド鎖膜透過制御実験系を確立し、小胞体トランスロコン内には複数のシグナル配列と複数の親水性膜透過途上セグメントが収容されること、膜透過制御要因であるポリペプチド鎖上の正荷電アミノ酸残基が予想外に長距離での効果を発揮できことなどを明らかにしつつある。
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