研究課題
萌芽研究
藍色細菌の生物時計は時計タンパク質(KaiA、KaiB、KaiC)及び時計関連タンパク質(Pex、SasA)から構成される。それらタンパク質、タンパク質複合体による時計の分子装置の作用機構-「時計の分子装置がどのようにして、24時間周期の振動を発振するか」-の原子レベルでの解明を目指し、時計の中核構成因子であるKaiCに着目した。KaiCは相同性のあるN末端及びC末端ドメインからなっており、それぞれのドメインの役割は不明であった。それらの役割を決定するため、各ドメインを個別に大量発現、調製を行い、以下のような結果を得た。(1)N末端ドメインはKaiC六量体化に不可欠であった。(2)C末端ドメインにリン酸化活性があった。(3)C末端ドメインにKaiAは相互作用し、KaiCリン酸化を促進した。(4)リン酸化反応はサブユニット間で起きた。これら結果から、六量体型KaiCはN末端ドメインで比較的強固なリング構造を形成し、C末端ドメインがそのリング構造にぶら下がり、フレキシブルに可動できる構造を提唱した。そして、KaiCの様々な存在状態(ヌクレオチドを結合していないKaiCサブユニット、ATPを結合したKaiCサブユニット、ADPを結合したリン酸化型KaiCサブユニット、ヌクレオチドを結合していないリン酸化型KaiCサブユニット等)の連続的変換が時計発振には重要と考えた(林ら、論文投稿中)。今後は、これら各状態の原子構造を決定し、スナップショットによるKaiC構造の動態と時計発振の関係を明らかにする。また、KaiAはKaiCと相互作用し、KaiCリン酸化状態に影響を与える。そのメカニズムを解明するため、KaiA-KaiC複合体の構造決定を目指す。
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