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栄養環境によるエピゼネティックな状態の制御と食品栄養学への展開

研究課題

研究課題/領域番号 16658058
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 食品科学
研究機関九州大学

研究代表者

今泉 勝己  九州大学, 大学院農学研究院, 教授 (90037466)

研究分担者 佐藤 匡央  九州大学, 大学院農学研究院, 助教授 (90294909)
研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード脂肪酸合成酵素 / MSP法 / メバロン酸 / メチル化 / エピジェネティック / 代謝的刷り込み / エピジェネテック / インプリンテング
研究概要

胎児期および乳児期での栄養状態が成熟期における代謝に影響を与えるエピジェネティックな現象を「代謝的刷り込み」と呼ばれている。以前の実験結果から、乳児期ラットに食餌メバロン酸を与え、通常食にして飼育すると、メバロン酸を与えていないラットより肝臓トリグリセリド(TG)および脂肪酸合成酵素(FAS)のmRNA量が減少するという刷り込み効果が示唆された。この研究から、食餌メバロン酸が成長後のラットに対して脂質代謝に影響を及ぼすことが示された。そこで以下の二つの実験を行った。
(実験1)成熟ラットでの刷り込み効果について検討したが、肝臓および血清脂質、FAS活性、FASおよびステロール調節領域結合タンパク質(SREBP)-1のmRNA量からは群間に差が見られなかった。
(実験2)HepG2細胞を用いてin vitroにおけるメバロン酸の刷り込み効果を検討した。始めに、HepG2を高濃度のメバロン酸に暴露させたときのFAS活性を確認した。FASの活性がメバロン酸を添加して72時間培養した細胞の活性がコントロール群の細胞の活性に比べ有意に高くなるという結果を得た。次に、高濃度のメバロン酸に暴露させ、その後通常培地に戻した場合には、曝露させていない細胞に比べてFASの活性が有意に低下した。
実験1.の結果から成熟ラットにはコレステロールおよびトリグリセリド代謝に対する食餌メバロン酸の代謝的刷り込み効果は見られなかった。以前に行った離乳期ラットを用いた実験結果と総合すると、離乳期にメバロン酸の脂質代謝に対する代謝的刷り込み効果が発揮されることが示唆された。これは本研究における仮説に合致するものである。また、実験2.の培養細胞(HepG2)を用いた実験系でもメバロン酸によるトリグリセリド代謝に対する刷り込み効果が確認された。
本年度はさらに、メバロン酸で処理したHepG2細胞において、FASmRNAの発現抑制が確認された。そこで、FAS遺伝子のプロモーター領域にあるSRE(Sterol Regulatoy Element)のメチル化状態をMSP法で解析したところ、メバロン酸で処理した細胞ではメチル化プライマー、非メチル化プライマー両方で増幅が認められた。この結果は、メバロン酸がSREのメチル化を誘導してFAS遺伝子の発現を抑制することを示唆している。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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