研究課題/領域番号 |
16658066
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
玉泉 幸一郎 九州大学, 農学研究院, 助教授 (80205062)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | マツ材線虫病 / 電撃 / マツノザイセンチュウ / 増殖速度 / 誘導抵抗性 / 防除試験 / 移動速度 / 肥大成長 / 電撃防除 / 幹呼吸速度 / 樹脂滲出異常 / セルラーゼ |
研究概要 |
電撃の影響を明らかにするために室内実験と野外実験を行なった。 室内実験においては切り枝に線虫を接種した後、それらに電撃を加え、線虫の移動速度と頭数密度に及ぼす影響を調べた。その結果、電撃により頭数密度は低下したが、移動速度に違いは見られなかった。このことから、電撃は一部の線虫を壊死させるが、その程度は小さく、線虫を全て壊死させる能力は無いと考えられた。また、電撃処理を行なった線虫を分離し、それらの増殖速度を比較したが差は見られなかった。このように、電撃の線虫への影響はそれほど大きくないにもかかわらず電撃の効果は認められたことから、電撃は線虫ではなくてマツの樹体に対して抵抗性を誘導するのではないかと考えられた。 そこで、野外実験においては、線虫を接種する前に電撃印加を行なう前印加処理を行い、接種後は印加を停止した。装置台数の都合で前印加処理6本、接種3本を実験に用いた。実験の結果、接種のみの3本は全て枯死したが、前印加処理は6本中の3本が生存した。しかも、接種後に幹の肥大成長を病徴進展の指標としてモニターしたところ、接種のみでは急激に成長停止したが、前印加処理を行なったものはすべて、肥大成長の停止にが遅れが認められた。また、生存木では成長が停止したあと、再び成長を開始する個体が見られた。これらの結果から、電撃は線虫に直接ダメージを与えているのではなく、印加したマツの線虫への抵抗性を誘導していると結論された。弱毒性の線虫をマツに前接種すると強毒性にたいして抵抗性を示す誘導抵抗性が報告されており、電撃によっても同様の効果が生じているといえる。
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