研究課題/領域番号 |
16658126
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
亘 敏広 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (50220950)
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研究分担者 |
山谷 吉樹 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (50267043)
鯉江 洋 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (20267040)
加納 塁 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00318388)
坂井 学 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (90366625)
高橋 朋子 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (10366627)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | DIC / 犬 / トロンボモジュリン / 組織因子 / 塩基配列 / cDNA / TAT / 凝固亢進 / 臓器発現 |
研究概要 |
平成17年度は、まず腫瘍罹患犬の凝固亢進状態を明らかにするため、トロンビン-アンチトロンビンIII複合体(TAT)を評価した。その結果、悪性腫瘍症例では健常群、良性腫瘍群に比較して極めて高値を示し、悪性腫瘍症例は常に凝固亢進状態であることが示唆された。次に悪性腫瘍を上皮系、間葉系、血管肉腫および造血器系に再分類しTAT濃度を再検討した。この結果血管肉腫の全例および造血器系腫瘍の全例でTATの高値を認め、これら腫瘍における凝固亢進状態が明らかになった。また上皮系腫瘍および間葉系腫瘍症例においてもTATの高値を示す例が多く存在していた。さらにDIC発症群と非発症群におけるTAT濃度の評価を行ったところDIC発症群では全例でTATの高値を認めたのに対し非発症群においても極めて高いTAT濃度を示した個体がいることから、これら症例は今後DICへと移行する可能性があるものと考えられた。このように悪性腫瘍罹患犬では凝固亢進状況にあることが示され、これが多数の凝固異常の原因となっていることが示唆された。 次に昨年度クローニングした犬トロンボモジュリン(TM)の遺伝子配列をもとにプライマーを設定し凝固亢進状態にある腫瘍症例8例の末梢血白血球についてTMおよび組織因子(TF)の発現状況をRealTimePCR法にてmRNAの発現量を解析した。この結果、腫瘍症例におけるTM遺伝子の発現が低下していることが明らかとなった。いっぽうTF遺伝子に関しては対照群と比較して若干の低下を認めた。内部標準遺伝子であるGAPDHの発現が腫瘍症例でやや低下したことからTMとTFの比を求めたところ、TF/TMは腫瘍症例で対照群に比較して高値を示したことから腫瘍症例ではTMとTFの発現不均衡があり、このため凝固亢進状況にあることが示された。このため播種性血管内凝固症候群発症時の治療薬としてTMがなりうることが考えられた。
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