研究課題/領域番号 |
16658135
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
阿部 克也 工学院大学, 工学部, 助教授 (80231950)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 気生微細藻 / スクリーニング / 窒素源除去 / 富栄養化 / バイオフィルター / 環境汚染物質 / バイオリアクター / 合成排水 / 気生微細藻類 / 液体培養 / バイオフィルム / 寒天培養 / 光合成色素 / 脂肪酸 / アラキドン酸 / エイコサペンタエン酸 |
研究概要 |
1.気生微細藻類利用型バイオフィルターの富栄養化物質除去能の評価 気生微細藻類Trentepohlia aureaは糸状体の微生物であるために基物着生能が高く、さらに高濃度の硝酸イオンや亜硝酸イオンの液体培養下においても生育可能であることから、このような藻細胞の性質を利用することで気生微細藻類利用型バイオフィルターを作成し、その硝酸イオンおよびリン酸イオンの除去能について検討した。バイオフィルターは細胞懸濁液をガラス繊維ろ紙上に滴下し着生することによって作成したよバイオフィルターによる富栄養花物質除芸テストは様々な環現下(光強度、ph、温度)においてバッチ式で行った。除去期間は4日間とした。この結果、藻細胞はガラス繊維ろ紙に確実に着生していることが観察され、これによって硝酸イオンおよびリン酸イオンを除去することが認められた。また、バイオフィルターは比較的低い光強度下で、pH5〜pH9の幅広い範囲において高い富栄養化物質除去能を示し、この除去能は藻細胞の最に概ね比例することが分かった。 2.バイオフィルターの保存性の検討 気生微細藻類利用型バイオフィルターは、水質浄化操作における繰り返し使用に対して生物的・物理的な耐久性をもっていることが大きな特徴である。本研究では、バイオフィルターの特徴づけの一環として、その冨栄養化物質除去機能の冷暗所における保存性について検討した。この結果、作成したバイオフィルターを冷蔵庫内(暗所・4℃)で90日間置いた場合でも、それは十分機能することが分かった。したがって、バイオフィルターを予め作製しておくことで、必要なときに常時使用可能であることが期待される。 3.環境汚染物質除去システムの構築 本研究のバイオフィルターは、大量の排水を迅速に浄化する微生物を利用した水処理システムの構築に活用することにある。まず、ガラス製カラム内に作成したバイオフィルム(10枚程度)を水平に等間隔で配置することにより気生微細藻類利用型バイオリアクターを作った。このカラム内に合成排水を循環し、経時的に水中の硝酸イオンおよびリン酸イオン濃度を分析することでバイオリアクターの富栄養化物質除去能を評価した。この結果、循環式のバイオリアクターでは富栄養化物質の除去効率がバッチ式と比べ著しく向上することが分かった.したがって、気生微細藻類利用型バイオリアクターは水の浄化作用を十分に示し、更なる検討を加えることで新規水処理システムの構築が期待される.本研究では様々な気生微細藻類を岩場め表面から採集・単離しておりここれらの藻細胞を用いることで気生微細藻類利用型バイオリアクターの水処理システムの構築をさらに検討する予定である。 以上、本年度の研究実績の概要について簡潔に記した。
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