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昆虫カメムシ類生体成分の裁判化学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16659009
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 化学系薬学
研究機関徳島文理大学

研究代表者

浅川 義範  徳島文理大学, 薬学部, 教授 (50033874)

研究分担者 橋本 敏弘  徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (10075955)
豊田 正夫  徳島文理大学, 薬学部, 講師 (50122586)
西木 まゆみ  徳島文理大学, 薬学部, 助手 (40140610)
長島 史裕  徳島文理大学, 薬学部, 助手 (60228012)
研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワードカメムシ類 / アオカメムシ / 脂肪族不飽和アルデヒド / システイン / チアゾリン / 赤褐色色素形成 / 防犯スプレー / 裁判化学 / ツヤカメムシ / 不飽和脂肪酸 / 不飽和脂肪酸アルデヒド / シツフ塩基 / 濃褐色色素形成
研究概要

カメムシ類は日本には47科830種以上分布する。それらは種類によって後胸臭腺開孔部から猛烈な臭気を発する。臭気は2-ヘキサナール、2-オクテナール、2-デカナールなどの脂肪族不飽和アルデヒドからなる。この臭気を発するカメムシ類は手指や手の平を濃赤褐色に染め、どのような溶媒、石鹸で洗っても2週間も落ちない。この現象を化学的に解明し、その色素を創製して防犯スプレーを開発することを目的に昨年に引き続き、各種カメムシ類の採集、臭成分分析および各種アミノ酸やアミンとの反応を繰り返し、その色調を探索した。どの種類が最も強い色調を形成するかを確かめるために、アオカメムシ、ホウズキカメムシ、アカスジカメムシ、ヒゲナガヘリカメムシ、クサギカメムシ、スコットカメムシ、マルカメムシなどを採集して、人皮膚における色素形成を調査した。もっとも強い色素形成が観察されたのはアオカメムシである。臭気を発しないヨコズナサシガメなどは色素形成が見られないので、色素形成はやはり異臭と手の成分との化学反応であることは確実となった。ドイツ、マルチンルター大学植物センターの、Meinhart Zenk教授から手の平に形成された色調から、ミイデラゴミムシが生体内反応で形成されて体外に放出されるベンゾキノンあるいはアルキルベンゾキノンの可能性があるとのサゼッションをえたので、その有無をGC/MSを用いて各生きたカメムシを徹底的にGC/MS分析したが、痕跡程度もキノン類は検出されなかった。異臭アルデヒドと各種塩基性アミノ酸およびアミン類とのシップ塩基がその色素の本体ではないかと推定し、本年度も2-ヘキサナール類、2,4-ヘキサジエナールなどの不飽和アルデヒド類、脂肪族アミン類、含硫黄アミノ酸類と中性、酸性、塩基性条件下で反応を行った、試行錯誤の結果、中性条件下、無色の2,4-ヘキサジエナールは50℃でシステインと反応し、赤黄色の油状物質を与えた。この液体を皮膚に塗布すると赤土色を呈し、カメムシ類によって皮膚に生じる類似した色素であることが明かになった。この色素の構造を確かめるため、反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、NMR,高分解能マススペクトルで分析した結果、アルデヒド基とシステインが環状構造をとるチアゾリジンでることを証明できた。2,4-ヘキサジエナール単独で皮膚に色素形成は全く認められないこと、生成したチアゾリジンが皮膚に付くと5日間でもその色素が皮膚から消失しないこと、石鹸で洗っても落ちないことから、この生成物自身でも十分防犯スプレーに使用できることが明らかになってきた。本結果は本年9月および11月にフランス、横浜で開催される国際精油シンポおよび香料テルペン精油化学に関する討論会で発表する。アオカメムシ類が手にあたえる色素形成は36℃、約30秒間で起こることから、この色素形成にはカメムシ類の異臭アルデヒドのほかに何らかの酵素が関与していると推定し、今後は真のカメムシ色素形成機構を酵素レベルの探索研究へと続行する予定である。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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