研究課題/領域番号 |
16659046
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
牛木 辰男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40184999)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 走査電子顕微鏡 / 過冷却保冷庫 / 氷晶防止 / 走査電顕 |
研究概要 |
本研究は、磁場をかけた冷凍庫を用いて標本を凍結することで、氷晶形成を極端に抑えた凍結標本を作製し、低真空走査電顕で簡便に観察できるようにしようというものである。そこで、昨年度は、この冷凍庫をもちいて、水や標本(生物試料)を冷却していく際に、どのような冷却曲線を描き標本が何度で凍結するかを調べ、この冷凍庫では、水は-9〜-10℃まで過冷却状態で保たれた後に凍結することが分かった。そこで今年度は、この保冷庫を用いて、実際の組織標本の凍結の実験を試みた。ジャガイモや、もともと水の少ない植物組織では、走査電顕の低倍率観察が可能だったが、動物組織は水分も多く細胞壁もない柔らかい構造でできているため、この状態で凍らせてもダメージがあった。もっとも、過冷却庫から走査電顕へ凍結した試料を凍結したまま輸送する方法をうまく行うことができなかったため、詳しい検討はできなかった点も今後の問題として残った。 これまでに、磁場のかかった冷却庫は魚等の食品の冷凍保存に威力を発揮してきており、食品としての歯ごたえや味は、この保冷庫による冷凍により格段と改善されるという報告がなされてきている。本研究では、必ずしもこの保冷庫の長所を十分生かしたといえない可能性がある。今年度までの実験では残念ながら、必ずしもよい結果が得られなかったが、さらに次のような工夫を加えることで、将来的には、この方法が実用的になるかもしれない。 1)過冷却(-6〜-9℃)状態で、組織がまだ凍結していないうちに、液体窒素の中に落とし急速凍結させる。 2)凍結後の標本の輸送に適したホルダーを作製する。 こうした可能性を見出した点で、本研究における若干の進展があったと考える。
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