研究課題/領域番号 |
16659056
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
西崎 知之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00221474)
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研究分担者 |
山本 悟史 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60220464)
永田 徹 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60131588)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 神経伝達物質受容体 / AMPA受容体 / GluR1 / O-GlcNAc化 / リサイクリング / 海馬神経伝達 / シナプス可塑性 / 長期増強現象 |
研究概要 |
シナプス伝達に対するO-GlcNAc化の効果を判定するために、ラット海馬切片のCA1領域よりfield excitatory postsynaptic potential(fEPSP)を記録した。O-GlcNAc化抑制剤であるalloxan存在下でbasal fEPSPは影響を受けなかった。次に、シナプス可塑性に対するO-GlcNAc化の効果を判定するために、Schaffer側枝に1秒間100Hzの刺激(テタヌス刺激)を加えることによりシナプス伝達長期増強現象(LTP)を誘発した。Alloxan非存在下(コントロール群)では、典型的なLTPが誘発された。すなわち、テタヌス刺激後一過性に基準値の250%に至るfEPSP slopeの増大を認め、その後基準値の150%前後の増大が2時間以上に渡って持続した。これに対して6時間のalloxan前処置群では、テタヌス刺激後緩徐なfEPSP slopeの増大を認め、基準値の220%前後の増大が2時間以上に渡って持続した。Alloxan処置群におけるfEPSP slopeの増大はコントロール群と比較し、有意な差を認めた。この結果は、alloxanがLTP発現の導入期ではなく持続期に影響することを示している。 fEPSPの構成成分の80-90%はAMPA受容体反応である。LTP発現持続期においてCa^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase II(CaMKII)はAMPA受容体の燐酸化、AMPA受容体の細胞質から細胞膜への輸送促進による細胞膜上での発現受容体数の増加、AMPA受容体の細胞膜上での安定化により、AMPA受容体反応を増大させると考えられている。アフリカツメガエル発現系モデルにおいて、aloxanはAMPA受容体(GluR1)反応を基準値の200%まで増大させた。ラット海馬切片においてテタヌス刺激有無にかかわらず、alloxa処理群ではAMPA受容体GluR1およびGluR2の発現分布が細胞膜に移行していた。 以上の結果より、AMPA受容体のO-GlcNAc化はAMPA受容体trafficking ; AMPA受容体の細胞内への取り込み促進、あるいは細胞膜への移行抑制、に関与することが示唆された。
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