研究課題/領域番号 |
16659059
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
田中 冨久子 (貴邑 冨久子) 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40046066)
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研究分担者 |
舩橋 利也 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70229102)
平原 史樹 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30201734)
榊原 秀也 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60235140)
窪田 吉信 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10106312)
矢尾 正裕 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00260787)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 性同一性障害 / 黄体形成ホルモン / エストロジェン / プロジェステロン / 正フィードバック / ジェンダー転換症 / セックス転換症 / 脳の性分化 |
研究概要 |
我々はこれまで、生殖器は女性でありながら男性であると性自認している性同一性障害者(FTM者)の黄体形成ホルモン(LH)分泌様式を調査し、彼らの排卵性LH分泌にはエストロジェンの正フイードバックによる部分は維持されているが、プロジェステロンの正フイードバックによる部分が欠落している可能性のあることを推測した。そこで本研究ではこの可能性を証明するため、FTM者のプロジェステロンに対するLH分泌反応を、典型的な女性の分泌反応と比較した。 典型的な女性およびFTM者において、月経開始日を第1日として第3日目から第7日まで5日間、エチニルエストラディオール50μgを1日2回経口投与し、第7日目の朝の採血の後、プロジェステロン12.5mgを皮下投与した。その後、経時的に24時間にわたり採血を行い、血漿LH濃度を測定した。 その結果、典型的な女性では4例中4例で、FTM者では6例中4例で、プロジェステロン投与によりLH分泌の高進が認められた。FTM者6例をジェンダー転換症とセックス転換症に分けると、前者では3例中3例で、後者では3例中1例のみでプロジェステロン投与後にLH分泌の高進が認められた。 以上の結果から、我々が推測したように、FTM者の中核であるセックス転換症のヒトでは、プロジェステロンの正フィードバックによるLH分泌調節機序に異常のある可能性が強く示唆された。現在、男性から女性へのセックス転換症の者も対象として採血実験を行っている。
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