研究課題/領域番号 |
16659116
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
唐澤 忠宏 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (90251917)
|
研究分担者 |
山本 靖彦 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (20313637)
米倉 秀人 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (80240373)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 内在性分泌型RAGE / Listeria monocytogenes / ノックアウトマウス |
研究概要 |
本研究の目的は、「内在性分泌型RAGE(esRAGE)タンパクは、自然免疫・粘膜防御を担う重要な液性因子である」という仮説を検証することである。 1.esRAGEと病原微生物、特にListeria monocytogenesとの相互作用の解析 (1)表面プラスモン共鳴法を用いた実験において、esRAGEとL.monocytogenesが直接結合することが明らかになり,そのリガンドは鞭毛タンパクflagellinであった。その結合解離定数は約10^<-8>Mであった。 (2)esRAGEタンパクが鞭毛タンパクflagellinと結合することで、L.monocytogenesの運動を抑制した。増殖阻害活性、殺菌作用、オプソニン効果は認めなかった。 (3)flagellinはesRAGBのみならず膜型RAGEにも結合することがわかり、その結合によってRAGE細胞内シグナルであるNFκBが活性化が生じた。 2.RAGE/esRAGEを共に欠損するRAGEノックアウトマウスを用いた感染実験 (1)RAGE+/+マウス由来腹腔マクロファージの方が、RAGE-/-マウス由来腹腔マクロファージよりL.monocytogenesの処理能力が高かった。 (2)RAGE/esRAGE系はマウスのリステリア感染に対して防御的に働いていた。 a.2種類の遺伝背景のマウスで感染実験を行った。B6、CD-1ともにRAGE+/+マウスの方がRAGE-/-マウスに比べて有意に生存率が高かった。 b.定量的に臓器単位面積当たりのL.monocytogenesの病巣部数を数えたところ、RAGE-/-マウスの方が有意に多かった。 c.組織学的炎症の程度もRAGE-/-マウスの方が有意に重症であった。 以上の結果から,esRAGEのみならず膜型RAGEを含めたRAGE/esRAGE系は,病原微生物に対する防御作用を担う生体因子であると考えられた。
|