研究概要 |
哺乳類細胞の場合、劣性遺伝子を単離したい時、多くの遺伝子がdiploidで存在することが障害になる。このため、既にchickenDT40細胞において、chromosomeのcetromere, telemere周辺の遺伝子配列は決定されているので、相同組換えを利用して、ある特定のchrosome (chickenには5本存在する)の長腕、短腕を特異的にdeletionすることが可能である。既にこの方法を用いてchickenに存在するchromosomeの1,4,5のdeletion作成した。 次にchromosomedissectionにより、1,4,5のchromosomeのgenomic bank(約20-50kb/clone)をつくり、その際in vitroで化学変異源を用い、それぞれのgenomic cloneに変異をいれると同時に哺乳類薬剤markerであるneo遺伝子を導入した。 この劣性機能的遺伝子単離の実験検定系として、NF-κB径路を用いた。BCl-2遺伝子は、NF-κB径路により制御されている典型的な遺伝子である。BCl-2遺伝子の発現状態を簡便に検定できるよう、この遺伝子プロモーター領域にGFP遺伝子をノックインし、細胞を樹立した。 その結果、GFPの上昇が見られない(すなわち、NF-κB径路の変異が生じている)変異クローン単離に成功し、これらのクローンが非特異的な変異によって生じているわけではないことを確認した。このことは、この実績モデルが有効な、劣性遺伝子単離の方法になり得ることを示している。
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