研究課題/領域番号 |
16659144
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山城 安啓 山口大学, 医学部, 助教授 (50243671)
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研究分担者 |
服部 幸夫 山口大学, 医学部, 教授 (80144955)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Junction PCR / Real-Time PCR / 広範囲遺伝子欠失 / サラセミア / 欠失断端 / サラセミ |
研究概要 |
昨年度に引き続き、未知の広範囲遺伝子欠失領域を決定する遺伝子技術の開発を行ってきた。この新たな方法は、Real-Time PCRと新たに開発・命名したJunction PCRを用い、mega base単位の遺伝子欠失でさえも正確に欠失断端を決定することが可能である。Genome projectによりヒトgenome data公開されている現在、この手法でかなり容易に決定することが可能になった。最も早い場合では、Real-Time PCRにより大まかな一方の欠失領域が決定できれば1週間で正確な欠失断端を決定することができる。しかし、Real-Time PCRによる遺伝子定量が難しい場合(α-globing gene等)や、欠失断端付近に高度な繰り返し配列がある場合には決定できないこともあるというこの方法の問題点もみつかった。 この問題を解決するべく検討中をおこなった。その対策の1つとしてprobeを用いたReal-Time PCRによる定量を試みた。その結果、一般的な定量PCRでうまくいかない場合、probeを用いたReal-Time PCRによる定量はうまくいかないことが判明した。また、多種類のPCR primerを設計しReal-Time PCRの厳密な条件決めを行った。これにより、かなりの精度で定量PCRが可能になったが、完全に解決はできなかった。 また昨年同様、この方法の有用性を示す広範囲遺伝子欠失型非αサラセミアの解析を続けてきた。我々の研究室に全国および海外から多数の血色素異常症の遺伝子分析依頼がある検体はの中で、約20家系の広範囲遺伝子欠失型非αサラセミアの診断を、この技術を用いて解析を行った。δβサラセミア1種類・6家系(27kb欠失)、βサラセミア1家系(116kb欠失)、βグロビン遺伝子は存在するがLCR(Locus control region)を含む上流の欠失による、εγδβサラセミア3家系(39kb,46kb,118kb欠失)、βグロビン遺伝子群が完全に欠失しているεγδβサラセミア2家系(1.41Mb,1.4Mb欠失)、欠失と逆方向挿入によるδβサラセミア1家系を診断することが出来た。最後の症例を除けば、全て新規の欠失であることがわかった。また、いずれの症例も相同組み換えによる欠失ではなく、その欠失断端付近にはおもしろい配列が存在する症例もあった。今後の課題となる。
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