研究概要 |
平成18年度は、食品添加物や健康食品として使用されている難消化性オリゴ糖(ラフィノース)について,その正確な大腸到達率と通過時間について検討した。また,これまで同手法を用いて検討した難消化性澱粉,セルロース,ペクチンの結果と合わせて,食物繊維の小腸内動態に関して考察した(投稿中)。 1,通過マーカーとして試験食と同時に摂取させたPEG 5g(消化管で消化・吸収を受けないとされる)の平均回収率は100.3±3.6%であった。このPEG回収量で補正したラフィノースの平均回収率は97.1±5.9%であり,経口摂取されたラフィノースは胃や小腸で消化・吸収されることなく,確実に大腸に到達することを証明した(これまで測定した代表的な食物繊維では、難消化性澱粉:38.6±9.8%、ペクチン:88.4±10.5%、セルロース:98.4±16.5%)。 2,ラフィノースの口-回腸末端部通過時間について80%平均到達時間を測定したところ、4.9±1.8時間であった。他の食物繊維でのそれぞれの80%平均到達時間は,難消化性澱粉:6.9±1.8時間、ペクチン:6.5±1.0時間、セルロース:8.7±1.3時間であり,食物繊維の種類によって小腸内通過様態も異なることがわかった。 以上の研究成果について,第37回日本消化吸収学会のポスターセッションおよび14^<th> UEGW(ベルリン)で発表した。
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