研究課題/領域番号 |
16659251
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小山 高敏 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教授 (20234916)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 血液凝固 / 核酸 / RNA / FVII activating protease |
研究概要 |
RNAが陰性荷電物質としてFactor VII activating protease (FSAP)の活性化、ひいては血液凝固のイニシエーターとして働くことを発見した。FSAPがヘパリンやヒアルロン酸といった細胞中に存在する陰性荷電物質と高い親和性を持つという背景から、細胞とFSAP活性化という視点でconditioned mediumを詳細に検討した結果、関与する物質が核酸であることを突き止め、それがRNAであることを確認した。また、真核細胞から得られたRNAだけでなく、酵母、バクテリア及びウイルスRNAもFSAP活性化能を有しており、様々なRNAに共通の大きさあるいは二次構造、一定の塩基配列といったある構造が活性化に関わっていることが示唆された。FSAP-RNAの結合反応はFSAP血中濃度と比べてはるかに低い濃度で観察されたことから生体内でも充分起こりえるであろう。また、血漿中でもRNAによるFSAP活性化が認められたことからRNasesの影響を回避できるような条件では細胞から得られたRNAがFSAPのコファクターとして働くことが示唆された。更に、RNA存在下でFSAPによるFVII活性化が惹起されその結果FX活性化が促進されたことから、血管傷害、組織傷害、細菌/ウイルス感染の際など、細胞外にRNAが現れるような状況ではRNAによるFSAP活性化が血液凝固開始に貢献していると考えられる。更に、RNAが接触相を介して他の血液凝固因子とも反応し血栓形成を引き起こすという実験結果も得られている。RNAによるFSAP活性化がin vivoで血液凝固全体に与える影響については今後更に検討する必要があるが、今回の研究により、RNAが細胞傷害や血管傷害の局所に存在し、血液凝固機序においてイニシエーターとして機能することが初めて示唆された。
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