研究課題/領域番号 |
16659259
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
齋藤 政樹 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (60012762)
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研究分担者 |
菱沼 滋 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (70211505)
新井 恵子 明治薬科大学, 薬学部, 助手 (90312074)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 骨髄長期培養法LT-BMC / 告血幹細胞KSL細胞 / 膜タンパク分子Thsd1 / Tmtsp / 告血幹細胞増幅維持因子 / 間質細胞 / 間葉系細胞 / 膜タンパク分子mKirre / NEPH2 / 浩血支持能 / LTC-IC法(Long-term culture initiating cell assay) / 造血幹細胞KSL細胞 / 造血幹細胞増幅維持因子 / ガングリオシド分子種 / ボツリヌス毒素C型 / D型受容体 / 造血幹細胞・前駆細胞 / 膜型糖蛋白分子mKirre / Wntファミリー分子 / シグナル配列単離法 / siRNA |
研究概要 |
平成18年度は以下の実験結果を得た: 我々を含めた幾つかの研究グループにより発見された2種の膜(糖)蛋白に着目し、造血幹細胞/前駆細胞に対する支持能力、増幅能力に関する生物機能を解析した。一つは上野・齋藤らがストローマ細胞株OP9細胞からシグナル配列単離法で単離に成功した膜糖蛋白mKirre/NEPH2であり、もう一つは最近、高柳・中内らにより単離・同定され、未熟な造血幹細胞の膜上に発現していることが判明した膜蛋白Tmtsp/Thsd1である。マウスC57BL/6の骨髄とOP9細胞から抽出したRNAを用いてRT-PCRを行い、マウス骨髄とOP9細胞に膜蛋白質遺伝子mKirreとTmtspが発現していることを確認した。また、骨髄内においては間葉系細胞に限局したmKirre蛋自の発現が判明した。両膜蛋白の機能を解析するため、mKirreについては、マウス骨髄のcDNAライブラリーからスクリーニングしたcDNAとOP9細胞から抽出したRNAにRT-PCRを用いて得たものを発現ベクターにサブクローニングした。Tmtspについては、骨髄から抽出したRNAにRT-PCRを用いて得たcDNAを発現ベクターにサブクローニングした。これらをOP9細胞をはじめとする間葉系細胞(株)、及びCOS7やCHO-k1などの非間葉系細胞(株)に、それぞれトランスフェクションさせ、膜蛋白遺伝子強発現株細胞(mKirre強発現株及びTmtsp強発現株)を樹立し、造血支持能の検索に供した。マウスC57BL/6の骨髄細胞を抗表面抗原抗体カクテルを用いてフローサイトメトリーにて純化した造血幹細胞KSL(CD34^+c-Kit^+Sca-1^+Lin^-)をmKirre強発現細胞と10週間に渡って共培養した。そこから得られた細胞を回収しメチルセルロース半固形培地で12日間培養しコロニーを形成させた。このコロニー数をカウントすることでLTC-IC (Long Term Culture-Initiating Cell)のコロニー形成能を算定し、造血能を測定した。その結果、膜蛋自mKirre強発現間葉系細胞(株)との共培養により得られたコロニー数は対照培養(mock導入間葉系細胞と共培養)より得られたコロニー数に比べ有意に増加した。同様に、KSL細胞をTmtsp/Thsd1強発現間葉系細胞(株)と共培養したところ有意なLTC-ICコロニー数の増加を認めた。すなわち、間葉系細胞に発現する2種の膜(糖)蛋白mKirre及びTmtspは造血に対する支持能を有することが示めされた。一方、遺伝子強発現非間葉系細胞との共培養では造血支持能の増加は認められなかったことから、間葉系に特異的な膜因子が造血能支持に必須なことが示唆された。さらに未熟な、真の造血幹細胞と言われるSP細胞などに対する増幅能の有無を現在検討している。
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