研究課題/領域番号 |
16659268
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
伊藤 悦朗 弘前大学, 医学部, 教授 (20168339)
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研究分担者 |
土岐 力 弘前大学, 医学部, 講師 (50195731)
佐々木 伸也 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (10344590)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | BACH1 / ALL / 薬剤感受性 |
研究概要 |
本研究の目的は、小児急性リンパ性白血病(ALL)の予後を改善するために、転写因子BACH1の発現誘導あるいは核移行を促す化学療法を開発することである。以下の3点に焦点を絞り、研究を行った。 1.BACH1の発現量と小児の急性リンパ性白血病の予後が相関するかを調べるため、real-time-PCRを用いて急性リンパ性白血病の臨床検体を解析した。既に3年以上経過観察した約30症例の解析から、BACH1の発現量と予後が逆相関することが明らかとなった。しかし同時に解析したBACH2の発現量と予後とは相関が見られなかった。この結果を確認するため、同じプロトコールで治療を行った他施設からさらに多くの検体を集め、解析を行う計画を進めている。 2.BACH1の発現の有無と、抗癌剤に対する感受性の相関を検索するため、BACH1がほとんど発現していないB細胞株RAJIにBACH1を過剰発現させた細胞亜株を作製した。免疫染色に使えるBACH1に対する良い抗体がないため、N末端にFLAGを融合させたキメラ蛋白をRAJI細胞を樹立した。約100クローンをウエスタンブロット法で解析し、2株の高発現株を見いだした。BACH1の細胞局在を解析するための準備が整った。 3.上記の細胞を用いて、各抗癌剤に対する感受性をMTT法を用いて解析した。BACH2過剰発現株とは異なり、これまで調べた薬剤では感受性の差異は認められなかった。さらに、多くの抗がん剤の薬剤感受性を解析する予定である。 4.Bach1の過剰発現が細胞死を誘導する可能性が示されているが、その機序はまだ不明である。そこでBach1を強制発現させた細胞株とその親株を用いてマイクロアレイ法により、Bach1の標的遺伝子の検索を進めている。
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