研究課題/領域番号 |
16659269
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
土屋 滋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30124605)
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研究分担者 |
笹原 洋二 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (60372314)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 神経芽細胞腫 / 人工抗原提示 / 細胞障害性T細胞 / 人工抗原提示細胞 |
研究概要 |
神経芽細胞腫は極めて難治性の小児固形腫瘍であり、今まで抗癌化学療法に種々の工夫がなされて来たが、未だ確固たる治療法が存在しない。新たな発想による治療法の工夫が求められている所以である。われわれは、この小児悪性腫瘍に対する細胞療法の可能性を探るために、神経芽細胞腫の表面抗原として我々が発見したB2D抗原を利用した細胞療法の基礎実験を行った。得られた結果についてまとめる。 1.胞障害性T細胞のモデル実験系として、EBウイルス感染自己B細胞株(自己B-LCL)に対するT細胞の応答系の作製を試みた。2x10^6/mlの末梢血に対し2分の1量の放射線照射自己B細胞を添加することで抗原刺激とし、2週後にIL-2を100u/ml添加し細胞障害を観察した。しかし、この方法による自己B-LCLに対する細胞障害性T細胞の誘導は確認されなかった。非自己同種B-LCL刺激による末梢血T細胞増殖には問題がないことから、至適培養条件確立は、間近と思われた。 2.標的細胞のアポトーシス誘導の検出系としてcaspase3あるいはannexin Vとpropidium iodideを使用した場合のいずれが感度良くアポトーシスを検出可能かを検証したところ、caspase3の方が感度良くアポトーシスを検出する事がわかった。 3.マウスIgG抗体をまぶしたダイナビーズに、抗CD3単クローン抗体、抗CD28単クローン抗体、B2D単クローン抗体を精製し、濃度を調整の上ダイナビーズに単独あるいは同時に結合させた。神経芽腫細胞に対する人工抗原提示細胞としての作用を期待している抗体・ダイナビーズ複合体であり、まず人末梢血リンパ球に対する増殖誘導能を検討した。培養3日目でIL-2を添加し、7日目まで細胞数を算定したところ、対照群に比較し3抗体を同時に結合させた群で約5倍の細胞数の増加が認められた。 今後この現象の詳細な解析、実際の神経芽腫患者の末梢血での反応性、細胞障害活性などを検討する必要性が示唆された。
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