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小児のけいれん重積に起因する脳障害防止のための研究-細胞死関連蛋白に注目して-

研究課題

研究課題/領域番号 16659275
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 小児科学
研究機関大阪大学

研究代表者

永井 利三郎  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50124748)

研究分担者 入江 康至  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70303948)
研究期間 (年度) 2004 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードけいれんモデル / けいれん重積 / カイニン酸 / 脳障害 / 細胞死 / c-fos
研究概要

これまでの生後8週齢ラットの検討で、カイニン酸投与後24時間後では著変を認めなかったが、7日後の脳において、primary olfactorycortexからEntorhinal cortex、Perirhinal cortexにかけて著しい細胞脱落を認めた。海馬では優位な細胞脱落は認めなかった。一方c-fosに対する免疫染色では、24時間後の脳においては、中核野、扁桃体外側基底核、海馬C3領域、でc-fosの発言の増加を認め、特に視床のcentral thalamic nucleusを中心に髄板内核領域に、著しいc-fosの発現の増加を認めた。大脳皮質ではあまり優位な変化ではなかった。この結果を元に3年目においては間脳、辺縁系脳に注目して検討を進めた。まず生後6ラットを用いて、カイニン酸を15mg/kg腹腔内投与群、カイニン酸投与後ゾニサミド投与群、コントロール群(生食投与)各5匹ずつについて、7時間後、24時間後、1週間後に脳の還流固定を行った。けいれんはカイニン酸投与群のすべてのラットに見られた。脳の視床、海馬、頭頂部皮質について、現在GABA、c-fos、の発現及びこれらの領域の組織変化について検討を進めている。一方同様の処置にて、24時間後のラットを用い、c-fos, arc, cox-2, arcadlinと非最初期遺伝子のamidaについて、遺伝子発現を検討した。検討した領域は、組織化学的検討を進めている間脳部について、大脳皮質、海馬、視床背側部、視床下部、視床下部、の5領域について、すべての脳部位のtotal RNA 2ugを鋳型として逆転写によるcDNA合成を行い、定量PCR法にて解析した。測定に用いた遺伝子特異的プライマーは、4種の最初期遺伝子すなわちc-fos, arc, cox-2, arcadlinと非最初期遺伝子のamidaである。内部標準としてはハウスキーピングジーンのGAPDHを用いた。結果、カイニン酸処理24時間後、cortex(部位1)でc-fosとarcの有意な発現低下を認めた。(Studentのt検定、**P<0.01)。ゾニサミド前処置により、c-fosとarcの発現低下は抑制される傾向が見られた。cox-2, arcadlinでも同様の傾向が見られた。arcadlinの変化は、統計的には0.01<Pく0.05危険度5%未満で有意であった。cox-2の場合は有意ではなかった。ゾニサミド単独投与でs.nigra(部位5)でarcadlinが増加(*0.01<P<0.05)、ゾニサミド単独投与でcortex(部位1)でamidaが増加(**P<0.01)がみられた。以上の結果はカイニン酸投与によりc-fos, arc, arcadlin、amidaの発現が変化し、zonisamide投与により修飾され、脳保護の機序について示唆を得られる可能性があることがわかった。今後組織化学的変化の結果と合わせて、これらの遺伝子発現変化の意義について、さらに検討を深めて行きたい。本結果は平成19年度てんかん学会で発表の予定である。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 思春期から青年期発症のてんかん(解説/特集)2007

    • 著者名/発表者名
      沖永剛志, 永井利三郎
    • 雑誌名

      小児科診療 70(1)

      ページ: 111-117

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 予防接種後発作増悪を認めた小児難治てんかん例の検討 全国多施設共同調査結果から2006

    • 著者名/発表者名
      伊予田邦昭, 永井利三郎, 田辺卓也, 山本克哉, 栗原まな, 小西徹, 松石豊次郎, 皆川公夫, 粟屋豊, 前川喜平
    • 雑誌名

      脳と発達 38

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] グルコーストランスポーター1(Glut-1)異常症における頭部MRI所見 多発性皮質下T2延長性小病変の経時的検討2006

    • 著者名/発表者名
      神尾範子, 今井克美, 柳原恵子, 大場志保子, 青天目信, 下野九理子, 沖永剛志, 大薗恵一, 渡辺嘉之, 永井利三郎
    • 雑誌名

      脳と発達 38

      ページ: 54-56

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 難治性てんかんと注意欠陥多動性障害を合併し皮質切除術を施行した頭部海綿状血管腫の一例2006

    • 著者名/発表者名
      新谷研, 最上友紀子, 青天目信, 下野九理子, 沖永剛志, 酒井規夫, 今井克美, 谷池雅子, 永井利三郎, 大薗恵一
    • 雑誌名

      脳と発達 38

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] カイニン酸誘発けいれんラットにおける脳の組織学的検討2005

    • 著者名/発表者名
      永井利三郎, 寺田春郎, 入江康至
    • 雑誌名

      てんかん研究 第23巻増刊号(予稿集)

      ページ: 125-125

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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