研究課題/領域番号 |
16659306
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
上條 吉人 北里大学, 医学部, 講師 (90255266)
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研究分担者 |
木下 玲子 北里大学, 医学部, 助手 (60383593)
神應 知道 (神磨 知道) 北里大学, 医学部, 助手 (50365087)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 肺動脈血栓塞栓症 / 定型抗精神病薬 / 非定型抗精神病薬 / 血流うっ滞 / 体動量減少 / アクチネット / 抗精神病薬 / D-Dimer / AT-III / プロラクチン / フェノチアジン誘導体 / リスペリドン |
研究概要 |
肺動脈血栓塞栓症は肺動脈高血圧症から右心不全をきたして死に至る非常に致死性の高い疾患である。欧米では抗精神病薬がこの疾患の危険因子であることが以前から指摘されていたが、本邦ではこれまでほとんど注目されていなかった。ところが我々は、救命救急センターで入院加療された肺動脈血栓塞栓症患者のうち、それまで知られていた肥満、寝たきり、悪性腫瘍などの肺動脈血栓塞栓症の危険因子のない症例のうち高率に(定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬に関わらず)抗精神病薬を服用していたことを明らかにしたのみでなく、原因不明の突然死に対して法医解剖された症例のうち死因が肺動脈血栓塞栓症と診断された症例について検討したところ、やはり高率に抗精神病薬を服用していたことを明らかにし、多因子検定を用いて抗精神病薬は肺動脈血栓塞栓症の危険因子であることを示した。これらの業績はいずれもCriculation Journalという日本循環器病学会の英文機関誌に発表した。特に今年度は本邦でもて抗精神病薬は肺動脈血栓塞栓症の危険因子である事をひろく啓蒙しなくてはならないと考え、数多くの欧米の論文を検索しつつ我々の業績を「肺動脈血栓塞栓症と抗精神病薬」とい日本語の論文にまとめた。この論文は2007年の日本集中治療学会誌にて発表される予定である。また、医学書院より「救急外来&病棟における精神障害対応マニュアル」という本を単著で執筆し、その中で抗精神病薬は肺動脈血栓塞栓症の危険因子であることを詳細に記載した。この本は2007年7月に医学書院より出版される予定である。また、抗精神病薬が肺動脈血栓塞栓症をきたすメカニズムとしてで抗精神病薬の鎮静作用よる体動量の減少による血流のうっ滞に注目して、現在単科精神病院にてアクチネットという体動量を測定する装着を用いて、抗精神病薬を服用している慢性東郷失調症患者の体動量を測定している。この仕事は現在症例数を積み重ねている段階で、来年度に結果をまとめて報告する予定である。
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