研究課題/領域番号 |
16659333
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松本 慎一 京都大学, 医学研究科, 助手 (70359834)
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研究分担者 |
南 幸太郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80334176)
前川 平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80229286)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 膵島移植 / PDX-1 / Beta2 / NeuroD / β細胞再生 / 蛋白導入法 / 心停止ドナー / 生体ドナー膵島移植 / 膵幹細胞 / 蛋白導入システム / 分化誘導 / インスリン分泌細胞 / 生体膵島移植 |
研究概要 |
インスリン依存状態糖尿病の治療として膵島移植が実施されているが、特に、2000年にカナダのグループが発表したエドモントンプロトコール以降、安全性および効果が高い治療法として世界的に症例数が増加している。我が国では、京都大学移植外科の膵島移植チームにより2004年に、初めての心停止ドナーからの臨床膵島移植を開始した。一方、膵島移植の課題として、ドナー不足の解消、移植膵島の生着率向上、長期の膵島の生存率を改善が挙げられる。 この研究の目的は、膵島分離後に膵臓の97%を占める通常は移植されない膵非内分泌組織(膵管細胞,膵外分泌細胞など)を研究協力者の野口が発見した新しい蛋白導入法を用いてインスリン分泌細胞へ分化させる方法を応用確立し臨床膵島移植へ利用することである。通常移植されない部分から移植可能なβ細胞を作り出すことにより、移植効率の向上が期待でき、さらに、ドナー不足の緩和につながる可能性がある。 我々は、2004年以降、17例の心停止ドナーからの臨床膵島移植を8名の1型糖尿病患者へ実施した。移植膵島は全例において機能し、患者の血糖値は全例で安定した。さらに、膵島移植に関する重篤な合併症もなく、欧米での膵島移植の再現が可能であった。尚、我が国の膵島移植の大半は我々のグループで実施されている。 一方、我々はPDX-1そのものが蛋白導入ドメインを持つことから、PDX-1はペプチドでありながら、そのままで細胞内そして核内に移行することを見つけた。また、別のβ細胞誘導因子であるBeta2/NeuroDも蛋白導入ドメインを持つことを明らかにした。このため、PDX-1およびBeta2はそのまま臨床応用できることが判明した。今後、我々の行っている臨床膵島移植との組み合わせが、医学的に可能となった。
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