研究課題/領域番号 |
16659335
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
秋山 紀雄 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (00372706)
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研究分担者 |
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 助手 (00322248)
青木 浩樹 山口大学, 医学部, 助教授 (60322244)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 慢性静脈不全症 / 下肢静脈瘤 / 治療 / MMP-9 / スタチン |
研究概要 |
[研究の目的と背景] 慢性静脈不全症は、静脈の逆流性、閉塞性または混合性病変により還流障害をきたす疾患群であり、進行すると皮膚潰瘍を併発し、治療に抵抗して難治性となる。本研究は、慢性静脈不全症に対する理想的な分子標的治療法の開発をめざした基礎的研究である。 [平成16年度のまとめ] 慢性静脈不全症の静脈瘤壁においてマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-9発現は有意に増加しており、シンバスタチンはこの静脈瘤壁からのMMP-9分泌を顕著に抑制した。 [平成17年度の結果] 慢性静脈不全症患者から採取した静脈瘤壁の培養系におけるMMP-9分泌と活性は、シンバスタチンのみならずプラバスタチンによっても抑制された。したがってこのMMP-9抑制効果は、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)に共通の効果と考えられた。スタチンは、MMP-9の分泌蛋白量のみならず、静脈瘤組織のMMP-9 mRNA発現ならびにMMP-9活性化因子であるウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ(u-PA)をも有意に抑制した。したがって、スタチンはMMP-9の活性化機序の複数のレベルに作用し、その結果MMP-9の活性を顕著に抑制しうることが明らかになった。さらに、静脈瘤壁はサイトカイン(TNF-α)刺激によりMMP-9分泌および活性化を亢進するが、このサイトカイン誘導性MMP-9をスタチンは有意に阻害することが確認された。慢性静脈不全症に対するスタチンを用いた新規治療の可能性が示唆された。
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