研究課題/領域番号 |
16659338
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田口 智章 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20197247)
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研究分担者 |
水田 祥代 九州大学, 大学病院, 教授 (30038856)
荻田 桂子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40346771)
増本 幸二 九州大学, 大学病院, 講師 (20343329)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 小腸移植 / 慢性拒絶 / FK778 / FK506 / 導入療法 / 大動物 / ブタ / クロスマッチ / 拒絶反応 / ALS / 移植後感染症 |
研究概要 |
小腸移植は短腸症候群の唯一の根治術式で、適応患者は徐々に増加しているが、免疫原性が強いため成功率がいまだに低いのが現状である。全世界ではIntestinal Transplant Registryによると2003年5月までに約1000例の患者に施行され、graft survivalは約50%である。本邦では生体小腸移植5回、脳死小腸移植1回行われたがグラフト生着率は33%にすぎない。最近、免疫抑制療剤の開発やZoom内視鏡による腸粘膜のモニタリング、EBやサイトメガロウイルスの感染症モニタリングの進歩により、生着率は向上しつつあり、1999年以後の症例では、生着率が60-70%程度に向上してきた。しかし小腸の場合、肝臓移植と異なり、肝臓移植では1年過ぎるとグラフトロスの頻度が低下するが、小腸は1年すぎても年々グラフトロスする症例がみられ、経年的に生着率が低下していくのが現状で、その原因の1つは慢性拒絶反応と感染症である。 この研究の目的は、臨床応用を前提として、ブタの生体小腸移植モデルを用いて、抗リンパ球抗体による導入療法、または腎移植の慢性拒絶予防に有効とされている新しい免疫抑制剤FK778の術直後短期投与を行い、維持療法はステロイドfreeでカルチノイリン抑制剤のFK506を低用量で単独投与することにより小腸移植の慢性拒絶反応と術後感染症の両者を予防する方法を開発することにある。家畜用黒ブタと白ブタで小腸の交換移植を行った。グラフトは回腸3mとし、血管茎をレシピエントの大動脈と下大静脈に吻合。腸管はnative腸管を2m残して切除し、グラフトとnative腸管と端々吻合する。免疫抑制剤維持療法はFK506 0.1mg/kg/dayを術後連日投与(静注から経口に移行)。Group 1:無処置群、これは必ず慢性拒絶が発症する。Group 2:FK778投与群。の2群で検討。リンパ球クロスマッチの強弱による生存日数はやや弱いほうが長い傾向はみられたが有意差はなかった。血管合併症は差がみられなかった。FK778投与群では最長生存は60日であったが、死因は感染症で、慢性拒絶は見られなかった。以上の結果より、FK778による慢性拒絶防止効果が示唆された。
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