研究課題/領域番号 |
16659347
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 巖 (佐々木 巌) 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
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研究分担者 |
福島 浩平 東北大学, 病院・講師 (20271900)
舟山 裕士 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50192315)
柴田 近 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30270804)
高橋 賢一 東北大学, 病院・助手 (80359520)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 薬剤反応性 / 臨床 / 炎症性腸疾患 / 血管新生 / 腸炎 / DSS大腸炎 / アンジオスタチン |
研究概要 |
血管新生阻害による腸炎の変化を検討するために、以下の動物実験を行った。 方法:まず8週齢のBalb/cマウスに対してDextran sulfate sodium(DSS)を経口投与し腸炎モデルを作成。3%DSSを飲料水に入れることにより、5日目には組織学的炎症が出現し、8日目には血便が出現、10日目には大腸の短縮を伴う肉眼的大腸炎を認めた。 このDSS腸炎モデルを用いて、強力な血管新生阻害剤であるCBO-P11(VEGF阻害剤)の効果を検討することとした。マウスを(1)DSS非投与群(2)DSS投与群(3)DSS投与開始と同時にCBO-P11 2mg/kgを連日腹腔内投与した群(CBO-P11群)の3群(n=5 each)に分け、血便の出現時期、10日目に摘出した大腸の肉眼的/組織学的炎症を検討した。 結果:CBO-P11投与群では7〜8日目に血便の出現を認め、DSS投与群と比べて有意な変化は認めなかった。10日目に摘出した大腸の長さは、DSS非投与群で8.2±0.5cm(平均±SD)、DSS投与群で6.4±0.5cm、CBO-P11投与群で7.0±0.7cmであり、肉眼的大腸炎はDSS投与群とCBO-P11投与群で有意な変化は認めなかった。組織学的所見では、DSS投与群で大腸上皮細胞の脱落、粘膜・粘膜下層への炎症性細胞浸潤を伴う強い粘膜炎症を認め、これはCBO-P11投与群においても同程度の炎症所見を認めた。 結論:DSS腸炎モデルを用いた検討ではVEGF阻害剤による腸炎の軽快や増悪は認めず、血管新生制御による腸炎の治療は困難であることが示唆された。
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