研究課題/領域番号 |
16659352
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江里口 正純 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任教授) (10114406)
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研究分担者 |
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
柳衛 宏宣 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任教授) (30212278)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Diplatin / Pullulan / Nanogel / Gastric Cancer / ナノアッセンブリ / Pullula / Nano-assembly construction |
研究概要 |
ナノゲル粒子であるプルランは6〜7個の主鎖のプルランと側鎖のコレステロール残基から構成されており(CHP:Cholesterol-bearing pullulan)、両親媒性であるため、複雑な電子分布を持つ化合物は水中で自発的にナノゲル粒子内へ取り込まれる。昨年度までに、OxaliplatinとCispaltinのDocking compoundであるDiplatinを、80℃の熱処理することにより3mgのCHP粒子(4〜5nmolのCHP粒子に相当)には2.0mgのOxaliplatinおよび1.5mgのCispaltinが封入できることを証明できた。本年度は、2mgのDiplatinをCHP内にナノアッセンブリ的に封入した場合、約51.5%のDiplatinが封入され、カルボキシル化したCHP(CHP-COOH)の場合は封入率が76.0%まで上昇することがわかった。β-cyclodextrinにてCHPを変性させた場合、71.4%のDiplatinが放出され11.4%がCHP内に残っていた。CHP-COOHの場合は、放出率が47.4%であった。ヒト胃癌細胞株MKN-45、MKN-74、Okajimaに対してDiplatinあるいはOxaliplatin+CisplatinをCHPに封入し濃度依存的な細胞障害効果を検討した。Diplatinにおいてはその水溶液とCHPあるいはCHP-COOH封入体との各種胃癌細胞の細胞障害性に差はなかった。Oxaliplatin+CisplatinにおいてはCHPあるいはCHP-COOH封入体を反応させた場合、Okajima細胞において、0.1μg/mlの濃度において優位な細胞障害効果を認めた。MKN-45担癌マウスモデルにおいて、Diplatin/CHP複合体(0.7mg/ml)の腫瘍内注入では、Diplatin(0.7mg/ml)水溶液投与と比較して優位な腫瘍増殖抑制効果を認めた。このようにCHP封入体は難水溶性抗癌剤の効果増強に有効であると考えられる。
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