研究課題/領域番号 |
16659372
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
濱野 公一 山口大学, 医学部, 教授 (60263787)
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研究分担者 |
伊東 博史 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (90363100)
李 桃生 山口大学, 医学部, 助手 (50379997)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 心筋細胞 / 骨髄細胞 / 心筋症 |
研究概要 |
末期の拡張型心筋症患者に対する治療法は、心臓移植を除けば、いまだ有効な治療法はない。近年、骨髄幹細胞を用いた再生医療は、急速に発展し、注目されている。しかし、骨髄幹細胞移植後の心筋細胞への分化は稀であり、心筋再生の効果が疑問視されている。一方、成獣心筋細胞移植では移植後の心筋細胞の生存は困難である。本研究の目的は心筋細胞と骨髄細胞移植を併用することが心筋症に対する有効な治療法になりうるか否かを明らかにすることである。 薬物性心筋症モデルは12週齢Wister ratの腹腔内にdoxorubicinを投与することにより作成した。心筋細胞と骨髄単核球細胞は12週齢GFP-transgenic Wister ratから各々単離した。採集した心筋細胞(C群)、骨髄単核球細胞(B群)、あるいは両者の混合(BC群)を心筋症ラット左室壁内に6箇所(心筋細胞:1×10^5/箇所、骨髄細胞:5×10^6/箇所)に移植した。治療後28日目のエコーによる心機能評価(左室FS%)では、B群とBC群で高い傾向を示した(B群vs BC群,P=0.086;BC群vs C群,P=0.079)。また、治療後28日目の心筋細胞apoptosisではB群とBC群がC群に比べ、有意に低下していた(P<0.05)。治療後28日目に移植した細胞の生存と分化を組織学的に分析したところ、移植した心筋細胞の生存はBC群に認められたが、C群ではほとんど観察できなかった。移植した骨髄細胞ではB群とBC群での生存が認められ、内皮細胞と心筋細胞への分化も稀ではあるが観察された。 以上の結果により、心筋細胞と骨髄細胞移植を併用することにより移植した心筋細胞の生存が可能になり、心筋症に対する有効な治療法になりうると思われた。
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