研究課題/領域番号 |
16659404
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
四宮 謙一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20111594)
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研究分担者 |
新井 嘉容 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10401390)
高橋 誠 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (10361718)
河内 敏行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (10313248)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 移植・再生医療 / 再生医学 / 神経科学 / 脳神経疾患 / 骨髄由来幹細胞 / 神経幹細胞 / 神経栄養因子 / 脊髄環境制御 |
研究概要 |
今年度は、前回報告した移植細胞となる胎児海馬由来神経幹細胞(神経幹細胞)と骨髄由来幹細胞(骨髄細胞)のRT-PCR法による神経栄養因子発現の比較から1)NGF・CNTF・GDNF遺伝子およびそれぞれのレセプター遺伝子ベクターを培養神経幹細胞に導入しその分化傾向を確認した。in vivo実験では2)脊髄損傷モデルに移植した細胞の生存期間を改善するような遺伝子導入を行った。 1)NGF・CNTF・GDNFおよびそれぞれの受容体遺伝子を培養神経幹細胞にさまざまな組み合わせで導入実験を行った。その結果、GDNFとそのレセプターGFRα1の組み合わせでもっと高い神経細胞へ分化が認められた。本結果から骨髄細胞が脊髄損傷部に移植された場合、損傷後の機能回復を促進する一因としてGDNFの関与が示唆される。今後は、脊髄損傷後にGDNFを持続的に発現させるモデルを作製し、損傷急性期の炎症の抑制と組み合わせて研究を行っていく予定である。 2)前回、培養神経幹細胞を脊髄損傷1週後に移植した結果、ホスト脊髄内で細胞の生着は確認されたもの正常脊髄に移植したものの約半数しか生着できなかったことを報告した。今回、細胞骨格とアポトーシスに関与するRhoファミリー遺伝子に注目し、神経幹細胞に導入し移植実験を行った。その結果、RacおよびRho遺伝子のdominant negative typeを感染させた場合、対照群と比較して2.5倍の生着細胞が観察された。これら遺伝子は、移植後の細胞死を抑制するための有効な手段と考えられた。 1)2)では損傷脊髄に移植する神経幹細胞、骨髄幹細胞についてその神経栄養因子的な働きと細胞死の抑制方法について明らかにした。骨髄幹細胞の脊髄損傷に対する働きはいまだ不明であり、移植細胞の多くが細胞死を受け十分に生着せず、一過性の働きしか得られないという報告もあることから本研究で明らかにしたことは意義が大きい。いずれの実験結果も論文への投稿準備中である。研究計画にあるような抗炎症作用とダリア瘢痕の抑制環境の作製には時間が必要であるが、本研究で明らかにした手法を組み合わせることで脊髄損傷のメカニズムおよび治療の解明に役立つと思われる。
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