研究課題/領域番号 |
16659428
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
鈴木 利保 東海大学, 医学部, 教授 (20196851)
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研究分担者 |
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助教授 (70216878)
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 細胞内情報伝達 / 揮発性麻酔薬 / セボフルレン / MAP kinase / PKC |
研究概要 |
全身麻酔薬の作用メカニズムは中枢神経系のイオンチャンネルや受容体に作用することが知られているが、未だその詳細は不明である。特に、細胞内情報伝達系は麻酔薬の有力な作用部位として注目を浴びているが、いまだ十分な検索はなされていない。MAPキナーゼカスケードは最近では神経細胞における揮発性麻酔薬のターゲットとして有力視されている。しかし、その神経細胞における局在について検討した報告は過去にない。一方、PKC細胞内情報伝達系も揮発性麻酔薬の作用部位として近年注目され、cPKCは揮発性麻酔薬のターゲットとしてもいくつかの報告があり、麻酔薬の作用機序との関連においても興味深い。そこで、セボフルレンがMAPキナーゼカスケード細胞内情報伝達系に及ぼす影響を免疫ブロットおよび免疫組織化学的手法を用いて検討した。 (結果)免疫ブロットを用いた検討では、Raf、MEK、ERKの発現量には殆ど変化を認めなかった。しかし、p-Raf、p-MEK、p-ERKは有意にリン酸化の亢進を認めた。PKC抗体を用いた検討結果では、抗PKCαの活性化が顕著であった。一方、PKCα以外の9種の分子種についてはその活性化をほとんど認めなかった。次にリン酸化ERKを用いた免疫組織化学的検討では、すべての時間群でコントロール群と比較してシナプトソームから突起にかけてのシグナルの増強を認め、典型例では突起が先端部で円形状、樹状、点状に増強しているのを観察した。 (結論)セボフルレンは初代培養神経細胞においてPKCαを介してRaf-MAPキナーゼカスケードを活性化することが明らかとなり、揮発性麻酔薬の作用機序においてMAPキナーゼカスケードが重要な役割を果たしていることが強く示唆された。さらに免疫組織化学的検討では、その局在が細胞体から突起先端にかけて認められ、セボフルレンの神経細胞での重要な作用部位として想定された。
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