研究課題/領域番号 |
16659438
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
湯浅 健 京都大学, 医学研究科, 助手 (00314162)
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研究分担者 |
木村 晋也 京都大学, 医学研究科, 助手 (80359794)
前川 平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80229286)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | polo like kinase (PLK)-1 / small interfering RNA (siRNA) / 膀胱癌 / 経尿道的治療 / マウス / RNA干渉 / 分子標的治療 |
研究概要 |
RNA interferenceは選択的に遺伝子の発現の制御が可能であり、次世代の分子標的治療として期待されている。我々は今回DDSの問題が比較的少ない膀胱という閉鎖空間を作り出し得る部位に注目し、膀胱内注入療法を行いsiRNAの腫瘍への到達効率を高めることができるかについて検討し、ここまで以下の事象について確認した。 1)膀胱癌摘除標本におけるPLK-1免疫組織染色を行うことによって、PLK-1の発現と腫瘍の筋層浸潤、リンパ管浸潤および核異形性は正の関連性をしめした。 2)in vitroでは15種類のヒトおよびマウス膀胱癌細胞株を用いたウェスタンブロットによる発現抑制効果の検討をおこない、最もPLK-1発現抑制効果を有するPLK-1 siRNA1412を同定した。 3)PLK-1 siRNA1412は用いた膀胱癌細胞株に対して用量および時間依存的に発現を阻害し、さらにサイクリンB1の分解が抑制され、正常な紡錘体形成が妨げられ、G2/M期に細胞周期が停止しアポトーシスが誘導されることがわかった。 4)in vivoにおいて膀胱癌に対するPLK-1 siRNA1412の抗腫瘍効果を観察するために、ルシフェラーゼ遺伝子を導入した膀胱癌細胞株を用い、様々な転移モデルを確立した。移植可能な細胞株も10種類以上保有し(うち膀胱癌細胞株はマウス膀胱癌1種類、ヒト膀胱癌3種類)細胞株別、臓器別に移植率のデータを作成した。これらのモデルではXenogen社のin vivo imaging system (以下IVIS)を用いることによって非観血的に繰り返し腫瘍の増殖・転移を観察することが可能である。 5)正所性膀胱癌マウスモデルを用いてPLK-1 siRNA1412の経尿道的投与における抗腫瘍効果を示した。 特にIVISによる膀胱癌正所性モデルを用いた定量的測定システムの確立や、膀胱癌に対するsiRNAリボソーム複合体による経尿道的治療をin vivoで実践したのは我々の知る限り世界で唯一である。ここまでの研究成果を論文投稿中であるとともに、2004年9月28日特許出願した。
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