研究課題/領域番号 |
16659455
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
上田 和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10328289)
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研究分担者 |
山田 恭輔 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30230452)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 卵巣癌 / MMP / モノクローナル抗体 / 子宮頸癌 / 子宮体癌 / モノクロナール抗体 |
研究概要 |
本研究の目的は、本学にて上皮性卵巣癌に特異的なマーカーとして免疫組織学的検討を行い開発および報告したモノクローナル抗体(12C3)を用い、悪性卵巣腫瘍患者血清中の12C3認識抗原の有無および認識抗原の性格を検討し、血清腫瘍マーカーとしての有用性を検討することである。 本抗体は抗原に卵巣胚細胞腫瘍細胞株(JOHYC-2)を用いているにもかかわらず、その認識抗原は予想に反し上皮性腫瘍に局在性が高く、上皮細胞の多層化、腫瘍細胞集団の内腔への分離増殖、核異型など悪性が疑われる領域にのみ反応を認めることが特色と言える。 本研究に先立ち、12C3認識抗原が癌細胞の浸潤・転移における細胞外基質分解に中心的役割を果たしているmatrix metalloproteinase (MMP)のinducerであることが判明し、婦人科腫瘍検体において免疫染色を行い、12C3認識抗原の発現とその予後との関連について検討した。 まず子宮頸癌49例に対し、12C3認識抗原、MMP-1、MMP-2、MMP-7を用いて免疫染色を行い、その発現を検討した。その結果、12C3認識抗原では75.5%と高い陽性率を示したが、MMP-1、MMP-2、MMP-7の発現は低率であった。検討症例は進行期I・IIのみであったため12C3認識抗原の発現と予後に明らかな相関は認められなかった。 さらに進行癌を含む子宮体癌112例に対して同様の免疫染色を行い、12C3認識抗原においては97.3%と高い陽性率を示した。現在のところ、その染色性と予後を含めた悪性度との相関を検討中である。 今後、卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌など婦人科悪性腫瘍患者における12C3認識抗原やMMPの発現および予後との相関について検討し、その血清腫瘍マーカーを含む新しい診断法の確立が期待される。
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