研究分担者 |
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
平田 伊左雄 (平田 伊佐雄) 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (40346507)
田川 陽一 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (70262079)
長岡 紀幸 岡山大学, 歯学部, 教務員 (70304326)
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研究概要 |
チタンは医学・歯学の分野において人工歯根・人工骨の材料として重要な位置を占めており,その用途・規模は年々拡大している。本研究はチタンを用いた人工歯根・人工骨の治療期間短縮ならびに適応範囲拡大を目指し,チタン表面での生体物質の相互作用をnmオーダーでかつ多点で解析するシステムとして,2次元イメージング表面プラズモン解析装置(SPR)に適したイメージングSPR用チタンセンサーの設計・チタンSPRセンサー作製を目指した。 本研究のチタンSPRセンサーは二酸化チタンを直接表面に被覆せず,金属チタン表面を大気中で酸化させた。測定結果より,本研究で開発したチタンSPRセンサーは,タンパク質吸着量をng/mm^2のオーダーで精密に測定できることが明らかとなった。また,このセンサーを用いることにより,タンパク質の吸着過程を経時的に測定することも可能となった。これより,チタンセンサーは大気中で酸化された金属チタン表面での生体分子の相互作用を求める上で極めて有用であることが示唆された。 また,今回作製した2次元イメージングSPRは,(1)表面に存在する極微量の物質をpg〜ng/cm^2のオーダーでリアルタイムに定量可能,(2)多数の生体分子間相互作用に関するデータを瞬時に取得可能,(3)2次元平板上で同時に起こる複数(〜数1,000種類)の反応をパラレル分析することが可能であった。さらにユニークな特徴として(4)イメージングSPRでありながら正確な入射光角度-反射光強度のSPRスペクトルを測定可能であり,他のイメージングSPRと比べてより正確な物質吸着量を求めることができるなどの優れた長所を有していることも明らかとなった。 以上より,2次元イメージングSPRとチタンSPRセンサーはチタン材料の生体適合性の研究に重要な役割を果たすことが期待できる。
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