研究分担者 |
片山 一郎 日本大学, 歯学部, 講師 (70130466)
西山 實 日本大学, 歯学部, 教授 (40059704)
鈴木 薫 日本大学, 理工学部, 助教授 (80139097)
内田 博文 日本大学, 歯学部, 助手 (90193903)
紙本 篤 日本大学, 歯学部, 助手 (30386114)
笠茂 幸嗣 日本大学, 歯学部, 講師 (20120404)
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研究概要 |
アナターゼ型酸化チタンは太陽光や通常の室内での照明からの紫外線(波長400nm以下)を利用した半導体光触媒反応(光化学反応)によって、強力な酸化分解作用を引き起こし,抗菌・脱臭・環境浄化などを示すが,太陽光等には紫外線成分が少ないため利用効率が悪く利用範囲も限られ,普及が妨げられていた.この欠点を改良するために、室内の人工光源中の青色・緑色等の可視光範囲の波長にも反応する「可視光応答型酸化チタン」の開発を試みた.酸化チタン薄膜の作成方法としてはレーザアブレーション法を用いた.アブレーション時の雰囲気ガスを窒素とし,周波数13.56MHzの高周波誘導結合型放電によってプラズマ化し,酸化チタンを窒化した.その結果,放電電力200Wにおいて光吸収特性は450nmに吸収端を有し,可視光吸収型の酸化チタンを成膜する事に成功した.また,実際の歯科への応用として義歯の汚れに着目し,可視光応答型酸化チタン光触媒含有塗料の義歯床用レジンに付着したカレー食品に対する洗浄効果について検討した.試験体は,可視光応答型酸化チタン光触媒含有塗料を義歯床用レジンにコーティングしたのち,カレー溶液中に8時間浸漬した.浸漬後,可視光線重合器を用いて試験体に20および60秒間光照射した.試験体の色差は,光照射前後の色調を測定して算出した.L*値は,同様の値であったが,照射時間の延長にともないα*値は増加し,b*値は減少した.また,光照射前後の色差は,照射時間の延長にともない増加した.これらのことから,可視光応答型酸化チタン光触媒含有塗料を用いた義歯洗浄の有用性が示唆された.
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