研究課題/領域番号 |
16659574
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤原 卓 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00228975)
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研究分担者 |
星野 倫範 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00359960)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | グルコシルトランスフェラーゼ / Stretococcus mutans / rgg / Streptococcus mutans |
研究概要 |
ミュータンスレンサ球菌は、gtf遺伝子でコードされる酵素クルコシルトランスフェラーゼ(GTF)を産生する。このGTFはスクロースを基質とし、粘着性グルカンを合成し、プラークバイオフィルムを形成する。従ってこのGTFが齲蝕の主要な病原因子であり、このGTFの発現を抑制すればう蝕の予防が図られる。そこで我々は、抗う蝕ワクチン開発の標的としてGTF発現制御遺伝子に着目した。 まず、これまで我々が研究をしてきたStreptococcus oralisのGTF発現制御遺伝子であるrggに注目し、これと相同性が高い遺伝子をStreptococcus mutans全ゲノムのデータベースで検索した。その結果、HTHやMutR familyといった転写制御遺伝子と相同性が高いことを明らかにした。しかし、ゲノム上の配置が離れていることからこれらの遺伝子がS.mutans gtfの発現に関与する確証が得られなかった。そこで、ミュータンスレンサ球菌と他のレンサ球菌種の16S-23S rRNA intergenic spacer遺伝子について解析してS.mutansと近縁のレンサ球菌の進化学的類縁関係を明らかにした。その一方で、rggおよびgtfのレンサ球菌種における遺伝子の水平伝播についても解析を進め、S.oralisは、トランスポゾンによりrggとgtfを獲得した形跡があることをつきとめ、さらにgtf遺伝子の進化学的解析からS.oralisのgtfは最も新しい世代のものであることも明らかにした。そしてこれよりも世代の古いS.mutans gtf遺伝子は、進化の過程でゲノムの再編成によりrggのような転写制御遺伝子と分断され、この遺伝子はgtf遺伝子の発現制御ばかりではなく、他の遺伝子の発現制御も司るためにゲノム上の最適な位置に転移した可能性があるという結論に至った。
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