研究課題/領域番号 |
16659610
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水溪 雅子 名古屋大学, 医学部, 教授 (20115637)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 怒り / 患者-看護者関係 / 感情労働 / 臨床看護師 / ストレス / 心理的援助 / 感情 / 看護 / 精神科看護 / 内科看護 / エピソード法 |
研究概要 |
精神科病棟、一般病棟に勤務する看護師の患者に対する怒り喚起場面と、その影響を研究した。まず、総合病院、精神科病院に勤務する看護師を対象とした記述式質問紙による調査の分析を行い、怒りを喚起する場面の特性と対処過程、その影響を類型化した。怒り場面は、患者の不快な言語表現、迷惑行為と暴力、職務上の障碍となる患者の言動に3分された。感じた怒りの表出欲求の有無の相互作用に関する学習と、職務意欲という観点から検討した。 ついで、精神科、一般病棟看護師34名を対象とした面接調査を行い、上記の質問紙調査で、明らかにできなかった看護師の怒り感情の処理過程での感情コントロールにおける問題点や対象の問題理解の特徴及び、困難さを質的に分析した。面接で得た資料は研究補助者によって入力、文章化した。分析の結果、看護師ほ怒りを感じだその場面で自分の感情を適切な形で表現し、患者と話し合うことが心理的な援助と重なり合っているが、そのことを十分理解していない例も多く、怒りを表出することを看護サービスでの禁忌として受け止め、怒り感情の表出を抑制していた。そのことによって、患者との必要な交流をも妨げていた。 これらの結果を精神科と一般病棟とで比較した結果、精神科病棟の看護師は、怒り感情を表出することを不適切と捉える例は少ないが、表出の適切性については十分な理解が得られず、困難感をもっていた。さらに、怒り喚起の経験に関する認知の在り方によって、学習体験となったり、ストレス因とLて看護への嫌悪感や離職願望につながるなど異なった影響が見られた。 これらの結果は、第21回日本精神衛生学会(2005.10)で発表し、また、研究成果として投稿を予定している。 また、看護師の怒りの表現をコントロールする必要性が明らかになったが、怒り表出のコントロールやアサーションの修得モデルに関するビデオやDVDなど映像の提示したところ、この問題に関する関心を深めた。
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