研究課題
若手研究(A)
(1)影と鏡面反射成分の存在下での物体形状獲得アルゴリズムの考案・実装昨年度までに、対象物体の光源との相対的な運動により表面に輝度変化が生じることを利用した形状獲得を行ってきた。特にGeotensity拘束に基づき、鏡面反射成分が含まれる状況への拡張を提案してきた。今年度は、更に影を含む状況への対応を検討した。具体的には奥行き探索を繰り返す枠組みにおいて、画素間で対応付けられた物体表面の輝度のセットから法線ベクトルを複数通りに計算し、その分散値から鏡面反射や影による外れ値の有無を判別する手法を考案した.鏡面反射などの影響を受けにくくすることで復元形状の精度が向上した。また同手法の環境光に対する有効性も確認した。(2)一般光源環境の推定初年度に、形状獲得に有効な情報源として光源環境の推定を陽に行う可能性を検討し、参照物体として中空の立方体を用いたセルフシャドウの解析に基づく手法を提案した。今年度は、この比較的シンプルなシステムによって、安定した光源推定が実際に可能となることを、環境光や近接光を含む環境下で撮影された実画像を用いて確認した。(3)物体形状獲得アルゴリズムにおける特徴点の対応付け本研究では対象の運動パラメタを正確に計算することが必要であるが、この手掛かりとなる画像間での特徴点のマッチングを、陰影変化に拘わらず行うことは重要な課題であった。昨年度に続きこの問題に取り組み、特に特徴点周辺の輝度パターンを局所的な画像基底で表すことで数理的に正しい対応付けの行える表現形式を導入した。原理的に、様々に変化する見え方をそれら基底の線形結合で近似できる手法であり、その有効性を実画像で確認した。
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情報処理学会 コンピュータビジョンとイメージメディア論文誌 第18号(6月掲載)
110006317663