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突然変異・遺伝的不安定性を誘発する長寿命ラジカルの生成機構・生成個所の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16681005
研究種目

若手研究(A)

配分区分補助金
研究分野 放射線・化学物質影響科学
研究機関名古屋大学

研究代表者

熊谷 純  名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20303662)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2005年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2004年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
キーワード長寿命ラジカル / ビタミンC / 突然変異 / 遺伝的不安定性 / ミトコンドリア / セミキノンラジカル / チイルラジカル / 間接効果 / 水和電子 / 溶存酸素 / 哺乳動物細胞 / 放射線生物影響
研究概要

○放射線照射した哺乳動物細胞にビタミンC等を添加すると、細胞死や染色体異常頻度は変わらないものの、突然変異頻度は有意に下がる。当研究室では照射細胞中にシステイン酸化型長寿命ラジカルがあることを見つけ、このラジカルがビタミンC等を加えると消去することから、この長寿命ラジカルが突然変異誘発の鍵を握っていると考えてきた。本研究は、そのラジカルの生成箇所および生成機構の解明を目的とした。
○未照射のSHE細胞中には、ミトコンドリア中のフラビンモノヌクレオチドのセミキノンラジカルとチイルラジカルのあることが、本研究で初めてわかった。従来、共同研究者から提供されていた冷凍細胞ではこれらのラジカルは消失して観測できなかった。
○未照射細胞中のセミキノンラジカル及びチイルラジカルは、1つの細胞あたりそれぞれ2.5x10^6,7.5x10^5spinsと定量測定に成功した。
○SHE細胞をγ線照射すると、チイルラジカルが減少し、フェニルアラニンラジカルが生成する。フェニルアラニンラジカルの生成量は、1000Gy照射時に2.0×10^6spins/cellであった。
○突然変異誘発に関与するとされてきたシステインの酸化型ラジカルは、培養直後のシリアンゴールデンハムスター胎児(SHE)細胞を照射しても生成しなかった。従来、共同研究者から提供されていた冷凍細胞は長時間凍結保存されていたため、徐々に細胞内の溶存酸素濃度が高くなり、その条件下でのみシステイン酸化型ラジカルが生成したと推察される。本研究で生物影響実験とラジカル測定実験の試料の状態を極めて等しくした結果、このラジカルが突然変異誘発に関与していることは疑わしくなった。一方で、ミトコンドリア中のセミキノンラジカルやチイルラジカルが細胞の恒常性・酸化レベルと関与していることが示唆され、遺伝的不安定性を含めた遅延放射線生物影響とこれらのラジカルの対応関係が本研究の今後の展開するうえで重要な鍵になる。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 放射線化学のすすめ2006

    • 著者名/発表者名
      日本放射線化学会編(熊谷 純 1, 2章 分担執筆)
    • 総ページ数
      268
    • 出版者
      学会出版センター
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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