研究課題/領域番号 |
16684011
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小嶋 健児 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60302759)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
27,040千円 (直接経費: 20,800千円、間接経費: 6,240千円)
2005年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2004年度: 18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
|
キーワード | 高温超伝導体 / ストライプ秩序 / 光学反射率 / ホール係数 / スピン電荷結合 / 銅酸化物 / スピン・電荷秩序 / ストライプ / 光学伝導度 / ミュオンスピン緩和 / 磁束コア |
研究概要 |
本年度は、「ストライプ」状態を持つLa系銅酸化物(LSCO・LNSCO)を中心に、超伝導状態・常伝道状態に対する磁場効果を測定した。「光学ホール係数測定装置」による光学測定の他、ミュオンスピン緩和法など、磁気的な手法も組み合わせ、「ストライプ」状態に関してスピン電荷結合の全貌を明らかにしようとした。その結果、以下のような結果を得た。 1.ストライプが動的揺らぎにとどまる物質(LSCO)の超伝導凝集量は、光学的な測定と磁気的な測定法で大きく食い違う、という予想外の結果が得られた[研究成果4]。このことは、磁場誘起ストライプ形成が、中性子散乱など、磁気的手段では準静的エネルギー領域に観測されるのに対し、光学ホール係数測定を初めとする、光学的測定では、もっとエネルギーの高い動的な領域に自由度が大きく残っているように見えるという結果に関連する。 2.ストライプを静的に安定化させた物質(LNSCO)の磁気光学効果は、これまで知られているどの銅酸化物系のそれより大きく、単純なエネルギースケールの議論では、理解できない程度の大きさとなっている。ストライプ形成下での電気伝導と磁場という自由度には、大きな結合様式があることを示唆する。 磁場による超伝導秩序の低下と磁性の出現・競合の問題をLSCO系だけでなく、他の銅酸化物でも測定し、比較してみたが[研究成果1,5]、磁性出現は、LSCOアンダードープの特質であり、「ストライプ」の寄与が顕著であることが確認された。
|