配分額 *注記 |
29,640千円 (直接経費: 22,800千円、間接経費: 6,840千円)
2006年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2005年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2004年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,同一飛行空間を複数回飛行させることで小型でありながら高分解能を得ることが出来るマルチターン飛行時間型質量分析計を一段目として用い,広い質量範囲のスペクトルを同時に測定が可能なquadratic field ion mirrorを二段目に用いたタンデム飛行時間型質量分析計を開発することである.本年度は下記のような研究を行った. 1.MALDIイオン源の製作 既存のMALDIイオン源は加速電圧が最大で8kVまでであり,十分な性能を発揮できないため,昨年度設計を行った20kV耐圧のMALDIイオン源の製作を行い,その性能評価を行った.その結果,感度が一桁以上向上したことが分かった. 2.タンデム飛行時間型質量分析計の性能評価 新しいイオン源を用いて,装置全体の評価を昨年度に引き続き行った.アンギオテンシンI,サブスタンスP,ブラジキニンなどのペプチドをイオン化し,マルチターン飛行時間型質量分析計でモノアイソトピックピークのみを選択し,衝突室で希ガスターゲット衝突/解離させた後,quadratic field ion mirrorでプロダクトイオンの質量分析を行った.いずれのペプチドでも高エネルギーCIDに特徴的なプロダクトイオンスペクトルを得ることができた.ターゲットガスをHe,Ar,Xeと変えてみたが,ガスによる解離生成物のパターンに変化はなく,加速が20kVであるため,Heでも十分な衝突エネルギーを得ていることが分かった.また,高エネルギーCID特有の解離機構であるチャージリモートフラグメンテーションが起こるかどうかを,脂質をサンプルとして用いて評価した.その結果,チャージリモートフラグメンテーションが起こっていることが分かった.これらの成果は,複数の学会等で発表し,また論文としても複数投稿した.
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