配分額 *注記 |
20,280千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 4,680千円)
2006年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2005年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2004年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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研究概要 |
フィルム材料の深さ方向に組成勾配を有する高分子ブレンド組成傾斜材料はフィルムの表裏で異なる機能を有しつつお互いの欠点を補う機能性高分子複合材料として期待されている.例えば,裏面に生体適合高分子材料を露出させ,表面に耐機械的衝撃の高い高分子材料を配することによりフィルムの機械的強度を向上させた人工皮膚などである.しかし,その材料開発法をはじめ,その評価法には多くの課題が残されている.具体的には,高分子傾斜フィルムの厚さ方向の組成傾斜を調べる場合には,マイクロトーム等の切断機械により厚さ方向の薄膜切片を切り出し,その切片を用いて様々な分析が行なわれる.その切断の際に印加される圧力や切断そのもののため,観測が困難になったり,材料の状態変化を引き起こしてしまう場合が多く,非破壊で組成傾斜構造を分析できる方法の開発が望まれている.微小永久磁石の強力磁場勾配を用いたMRI画像化法は高分子傾斜構造の画像化のみならず,高分子の動的な性質の画像化も可能となる.さらに,固体材料の表面分析や内部分析にも応用可能となり,高い汎用性を有する分析手法として期待される.そこで,本年度は,微小永久磁石が発生する磁場勾配を利用したNHR動的イメージング分光装置の開発を主目標として研究を行った.さらに,高分子傾斜機能材料への応用を検討している.微小永久磁石による磁場勾配を利用したNMR検出器およびNMRイメージング装置を自作した.装置のキャリブレーション用の試料としてKC103の35Clの核四極子共鳴または水道水とシリコンゴムの1HのNMR信号を用いた.高分子材料系での実験は現在検討中である。今回,永久磁石による強力な静的磁場勾配の存在下でのNMRスピンエコー実験に成功した。今後,高分子ブレンド傾斜材料や高分子材料の表面のNMR信号を観測し,緩和時間等の情報から試料系の局所的な部分からの動的構造に関する情報を得たい.
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