配分額 *注記 |
28,600千円 (直接経費: 22,000千円、間接経費: 6,600千円)
2006年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2005年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2004年度: 21,970千円 (直接経費: 16,900千円、間接経費: 5,070千円)
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研究概要 |
水素結合性を有するカルボキシル基を付加したポルフィリンをAu(111)基板上で自己組織化させた単一分子膜を超分子テンプレートとし,異種分子(C60)を付加することを試みた.超分子テンプレートは,C60を付加することでポルフィリン分子のコンフォメーションが変化し,隙間をあけてC60を取り込むことが明らかになった.このことは,超分子テンプレートに異種分子を選択的に取り込める可能性を秘めており,Advanced Materials誌に掲載された.さらに,分子間の斥力を利用して分子ナノ構造を形成させる新しい試みも行った.斥力は大きな双極子モーメントを持つIrPPY分子を用い,Cu(111)基板上で単分散させることに成功した.さらに,最近接分子間距離の分布をとることで斥力ポテンシャルを定量的に算出し,分子同士の双極子相互作用に加え,基板に形成し1たイメージ双極子によって斥力が大きくなっていることを明らかにした.この結果は,Physical Review Letters誌に掲載予定である.また,基板上に形成した分子ナノ構造からの発光を得るために,導電性光ファイバーをSTM探針として使ったPhoton-emission STMの立ち上げも行った.GaAs基板をテスト試料として用い,STMで原子分解能が得られることを確認した.5pAという小さな電流でもトンネル電流励起の発光が検出できることを明らかにし,発光分光によってGaAsのバンドギャップに相当する発光であることを確認した.今後,分子ナノ構造からの電子励起発光について明らかにしていく予定である.
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