配分額 *注記 |
26,520千円 (直接経費: 20,400千円、間接経費: 6,120千円)
2006年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2005年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2004年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
本年度は,研究計画に基づき,以下のような研究を実施し,それぞれ下記の成果を得た. 1.psパルス列に対する直交偏光パルス捕捉を用いた超高速全光スイッチングの研究 パルス幅1ps,繰り返し10GHzの高繰り返しファイバレーザーを用いて,パルス捕捉による光通信の伝送レートにおける全光スイッチングの検討を行った.10GHzのファイバレーザーの出力を5mWから40mWまで増幅し,また,パルス幅を100fsまで圧縮し,分散シフト型の偏波保持高非線形ファイバに入射した.その結果,約200nmのソリトンの長波長側へのシフトと,パルス捕捉によるアンチストークスパルスの短波長側への波長シフトを確認することができた. 2.パルス対による極短パルスの生成 パルス捕捉を用いて生成された2色の超短パルス対を用いて,コヒーレントな重ね合わせによる極短パルスの生成と観測を試みた.ここでは,ファイバレーザーの出力を二つに分け,一方では超短パルス対を生成し,他方はパルス圧縮により時間幅の短いパルスを生成し,2次の非線形結晶を用いた相互相関波形の観測を行った.その結果,2色パルスの重ね合わせによる複数の極短パルスの生成が確認された.しかし,パルス対間の位相の同期は見られず,また,信号光と参照光間の時間差にもジッターがあり,観測された相互相関波形は時間的に変化するものであった. 3.本研究の総括 パルス捕捉に関する研究の考察・検討を行い,本研究の総括を行った. 本研究において,直交偏光パルス間の捕捉現象を用いて,異常分散領域における約1THzの高繰り返しパルス列に対する超高速全光スイッチングを実現することができた.このスイッチングでは,捕捉光の波長シフトだけでなく,整形や増幅を行うこともできる.また,時間的に完全に重なった2色の超短パルス対を生成できるため,2つのパルスのコヒーレントな重ね合わせによって,36fsの極短パルスの生成を観測することができた.
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