配分額 *注記 |
27,170千円 (直接経費: 20,900千円、間接経費: 6,270千円)
2006年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2005年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2004年度: 22,620千円 (直接経費: 17,400千円、間接経費: 5,220千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,例えば千島海溝部の北米大陸プレートと太平洋プレート境界に代表されるプレート境界の破壊をシミュレートするための「プレート境界の力学条件および,境界条件を満たす」実験方法を確立することである.これまでに,東京大学のOhnaka & Matsu'uraらは,実験室規模の破壊現象と地球規模の地震と断層破壊を統一的に扱う構成則を研究しているため,実験室レベルで先に示した力学条件と境界条件を満たす実験手法を確立することができれば,この統一則とあわせ,地震を理解するための画期的研究手段を手に入れることができる.本課題では,その基礎的な研究を行なった. セラミックス,鋼材や花崗岩の予き裂の導入手法について実験的検討を行なった.エンドミル・硬さ試験機を用いてき裂を内部に発生させ,断面観察・透過光観察により詳細にき裂を調べた.また,力学的に3軸圧縮下でプレートにせん断応力を負荷する模擬実験としてセラミックスと鋼材に転がり疲労試験を実施し,疲労させた試験片の断面観察を行ない,内部き裂の分岐挙動を詳細に観察した.特に,鋼材ではき裂発生前後の磁場特性の変化を調べることにより,き裂の挙動をより詳細に観察することができる.そこで磁場測定を行なうことができる環境を整え,き裂の進展過程で変化する磁場の特性を調べた.さらに,接触応力下のき裂と応力分布の関係を解析した. 以上により,岩石の予き裂導入とその進展挙動の基礎データを得た.また鋼材・セラミックスには転がり疲労試験を実施することにより内部き裂の分岐を発生させることに成功した.またき裂進展挙動を光学・電子顕微鏡に加え磁気測定機により観察した.その結果分岐挙動の詳細が得られたことに加え、特に,高炭素鋼は極めて微弱ではあるが,き裂進展時に検出可能な磁性変化を有することが確かめられた.さらに応力と分岐挙動の関係は,内部方向へ進展するき裂のアスペクト比で統一的に説明可能であるという結果を得た.
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